
桜の時期も終わり、春の盛りもひと段落した昨今、花の色もさることながら、新緑がまぶしい季節となりました。また、本堂や客殿も、ストーブを片付けたり意匠を変えるなどし、次に来る季節に向けて、装いが徐々に改まっていきます。

4月と言えば新年度の開始月となります。ですので、3月末まで抱え込んだ憂いや気がかりは一旦リセットし、心機一転、初心に戻り、フレッシュな状態で事に臨もうとする方が多いのではないでしょうか。そのきっかけとして、『坐禅』という選択肢はいかがでしょう?今日も当山の坐禅堂へ足を運ぶ人の中には、そうした気持ちを胸に、訪れる方が少なからずおられるのでは?と思ったりもする次第です。
坐禅後は、本日で16回目となる『禮拜得髄』の巻の講義が行われました。今回の内容は、「現状を悲観的に見ない」ということをテーマに話しをされました。講義の中で方丈は、高い理想を持っていても、現実は理想と随分違うことに落胆させられることが多々あるとし、真面目に生きている人ほどそういう思いが強く、人生を悲観的に見てしまいがちになるという話しをされました。そしてそうならないために、本日読んだ箇所にある言葉、「佛化を学すべし、佛界にいるべし、まさに佛恩を報ずるにてあらん」を実践することが重要であると述べられました。更に、物事に悲観してあきらめてしまうのは、「できない」からではなく「やりたくないから」という理由がほとんどだとし、ローマ帝国の哲人皇帝マルクス・アウレリウスの『自省録』を参考に、「自分の内に帰ること」、つまり自分の原点に立ち返り、自分らしく生きるための「調子」「節度」を整えて、アクションを起こすことが大切であると話されました。そしてその「調子」「節度」を整える方法のひとつが、「調身・調息・調心」による『坐禅』であるとし、坐禅は自分の中に帰るための『行』なのだと述べられました。
講義後は、茶話会で連絡事項等を伝達した後、当山の裏山で毎年恒例のタケノコ掘りを行いました。参加者の皆さんは、スコップを手にひと汗欠いた後、それぞれの成果を手にして、家路へとつかれました。


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