雨脚は去ったものの、前日からのぐずついた天気により、いまだパッとしない空模様のこの日、5月の月例坐禅会が行われました。
坐禅堂に入って心を落ち着かせると、本日はホトトギスの声が繰り返し聴こえてきます。「キョッ・キョッ・キョ・キョ・キョ・キョ」と繰り返し鳴くホトトギスの声は、日本では夏の訪れを告げるもの、あるいは農作業の開始を告げるものとして、古来より親しまれてきました。よってこの故事が念頭にあるせいか、坐禅堂で聴いたホトトギスの第一声が、「坐禅の開始を告げる鳴らし物」のように聴こえたのは私だけではないかもしれません。
坐禅後は、本日で5回目となる『禮拜得髄』の巻の講義が行われました。今日のメインとなる話しは、「妙信尼さんと十七人の僧侶」のエピソードの回になります。今回の講義で方丈は、妙信尼さんの話しを踏まえ、人材を登用する際の「多様性を受け入れること」の重要性を話され、やがてそれがイノベーションを起こし、持続可能な社会をつくる原動力になるのだ、ということを述べられました。
講義後は、常の如く茶話会を行い、無事散会という運びとなりました。