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 立春も過ぎ、暦の上では春となりました。徐々に粧いを改める草木に目をやると、確かに新しい季節の訪れを感じさせてくれます。しかしながら、いまだ寒気が行ったり来たりするせいか、朝晩の冷え込みは厳しく、本格的な春の声を聞くのはもう少し先かな、と感じてしまうのはおそらく私だけではないでしょう。そのような思いを抱きつつ、本堂では年中行事のひとつである『涅槃会』の法要が、午後2時から執り行われました。

 

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 法要は、来山者10名が見守る中、導師の明石方丈がまずお釈迦様の遺徳を偲ぶ香語を述べられ、その後は報恩のための礼拝・読経という順で進行し、厳かな雰囲気に包まれた中での法要となりました。読経中、在りし日のお釈迦様に思いを致すため、ご本尊様及び涅槃絵に向かって来山者全員で焼香をさせていただきました。

 

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 法要後は、一旦場を仕切り直して方丈による法話となりました。法話では、『念々に明日を期する事なかれ』という正法眼蔵随聞記の言葉をテーマに、15分ほどの話しをされました。その中で方丈は、何か行動を起こす際、遅疑逡巡してチャンスを逃さないよう積極的に行動することの大切さについて述べられました。また、カレーで有名な『CoCo壱番屋』の創業者宗次徳二さんの著書を参考に、その中にある言葉をいくつか取り出し、事を始める際の着意事項について話しをされました。
 最後に、江戸時代の儒学者佐藤一斎の著書『言志録』の言葉を引用するとともに、この本(講談社学術文庫版)で現代語訳及び註釈を担当した川上正光さんの記した付記を紹介、今回の法話の要点として強調されました。それは、「物事を成就するには、まず志を立てる。これは発心である。次は実行に踏み出す。これは決心である。これだけではまだ駄目で、これを成功するまで継続しなければならない。これを持続心という」で、この文中にある「発心」「決心」「持続心」を、宗次さんの著書にあった「実現可能な目標を設定すること」、そしてそれを「やらざるをえない状況に身を置きまず始めてみること」、あとは「誰もができることを誰もができないほど続けること」という言葉にそれぞれ当てはめ、これこそが事を成すために重要な「三心」であるとして法話を締めくくられました。
 法話後、報恩の坐禅を一炷行い散会となりました。