令和二年一二月定例参禅会報告 プリント

今月の提唱

『正法眼藏』「光明」の巻(5)

img_2940.jpg-1.jpg云何忽生山河大地なるべし。長沙道の盡十方界、是自己光明の道取を、審細に參學すべきなり。光明自己、盡十方界を參學すべきなり。
生死去来は、光明の去来なり、超凡越聖は、光明の藍朱なり、作佛作祖は、光明の玄黄なり。修證はなきにあらず、光明の染汚なり。草木牆壁・皮肉骨髄、これ光明の赤白なり。煙霞水石・鳥道玄路、これ光明の廻環なり。自己の光明を見聞するは、値仏の證驗なり、見仏の證驗なり。盡十方界は是自己なり、是自己は尽十方界なり。廻避の餘地あるべからず。たとひ廻避の地ありとも、これ出身の活路なり。而今の髑髏七尺、すなはち盡十方界の形なり、象なり。佛道に修證する盡十方界は、髑髏形骸・皮肉骨髄なり。


今月の所感

img_2942.jpg-1.jpg今月は長沙景岑の「盡十方界、是自己光明」についての拈提から始まります。この語句は『景徳傳燈録』巻10の湖南長沙景岑號招賢大師の章に見える言葉です。
「盡十方世界是沙門眼。盡十方世界是沙門全身。盡十方世界是自己光明。盡十方世界在自己光明裏。盡十方世界無一人不是自己。」
道元さんは長沙景岑の言葉を引いて、一切の世界が自己の光明であり、光明なる自己が一切の世界であることを学ばなければならないと教えられています。これは『正法眼蔵』「現成公案」の巻の有名な一節である「佛道をならふといふは、自己をならふ也」と軌を一にするものだと思います。
一切の世界が自己の光明であるというのは、例えば生まれてから死ぬまでの迷いの世界の移り変わりが、、光明の移り変わりであるようなものであると示されています。
また、凡人であることを超え、聖人であることを超えることが、光明の朱や藍の色彩に例えられる。あるいは佛となり祖となることは、光明の黒と黄の色彩のように玄妙なものである。
あるいは、修行し悟りを得ることはないわけではないが、これも光明のいたすところである。
さらに、草木牆壁・皮肉骨髄は光明の赤・白の色彩であり、山水に霞たなびき、鳥が自由闊達に飛び去る道や、佛道の奥深い境地へ導く道も光明のめぐらすものであると示されています。
img_2939.jpg-1.jpgその上で、自己の光明を理解することは自己の佛に会い、自己の佛に見えることである。一切の世界は自己であり、自己は一切の世界である。そこからは避けて通る余地なない。たとい避けて通る余地があっても、そこは世間の束縛を超えて自由に行く生きた働きがあり、悟道の境界を超えて自在なる働きがあるところなのだと、道元さんは述べられています。
とどのつまりは、われわれ髑髏七尺の体が、とりもなおさず一切の世界の形であり姿であり、佛道においての修行とさとりとは、「世界はこの自己の身体」に他ならないと悟ることであると道元さんは結ばれています。
見事に一切の世界が自己の光明であるあることを説明しつくされていますので、今回のご提唱の箇所が「光明」の巻の核心部分ではないでしょうか。何度も読み返す必要があると思います(因みに「空華」の巻の核心部分は今年4月にご提唱いただいた箇所ではないかと思います。ただ残念なことには、今年の4月は新型コロナウィルス感染防止のための緊急事態宣言が出され、小生は参禅会をお休みしたので、ご提唱を拝聴することができませんでした)。次回は雲門禅師の光明に関する公案が紹介されます。

img_2945.jpg-1.jpg茶話会の後、お世話になった龍泉院さんへの御礼として、本堂・坐禅堂・大悲殿・境内の大掃除を行いました。坐禅堂では普段掃除をしていまい窓枠や桟 、外単に掛かっている梆などの汚れを落とすことができました。

五十嵐年番幹事からのお知らせ

・これから本堂・坐禅堂・大悲殿・境内の4箇所に分かれて大掃除をお願いいたします。

小畑代表幹事からのお知らせ

・第38回成道会には25名の方が参加され、歳末助け合い托鉢には10名の方が参加され、無事円成いたしました。歳末助け合い托鉢では500,300円の浄財が集まりましたが、浄財はすべて朝日新聞文化厚生事業団に寄付いたしました。
・本年の年番幹事の五十嵐さんと齋藤さんは、コロナ禍で大変ご苦労をお掛けしました。来年は杉浦さんと山桐さんに年番幹事をお願いします。

明石和尚からのお知らせ

・12月3日に龍泉院住職を拝命いたしました。まだまだ若輩者ですが、まず住職として恥ずかしくないよう身を持して行き、龍泉院を清潔に保つよう、日々努めてまいります。

ご老師からのお知らせ

・これからは東堂和尚とお呼びください。東堂として明石和尚の補佐および龍泉院運営の補佐をしてまいります。また参禅会の行事についてもお手伝いをさせていただきます。
・連載ものを2~3本抱えています。この他、沼南町の通史のうち民俗編の作成に携わっています。
・12月19日(土)に美川恒子さんの一周忌が龍泉院で行われ10名の方がお見えになられました。お孫さんたちは美川さんが定例参禅会に自宅から2時間かけてこられた龍泉院を色々と廻られて、参禅されておられた美川さんを偲んでいました。お子さんやお孫さんたちが大変明るいことに感銘を受けました。

今月の司会者 山桐 照夫
今月の参加者 21名
来月の司会者 未定





最終更新日 ( 2020/12/30 水曜日 10:13:59 JST )
 
次へ >
Copyright (C) 2008 ryusenin.org All Rights Reserved.