令和二年一月定例参禅会報告 プリント

今月の提唱

『正法眼藏』「空華」の巻(4)

img_2696-1.jpgただし諸仏諸祖、ひとり空華・地華の開落をしり、世界華等の開落をしれり、空華・地華・世界華等の経典なるとしれり、これ学仏の規矩なり。仏祖の所乗は、空華なるがゆえに、仏世界およひ諸仏法、すなはちこれ空華なり。
しかあるに如来道の翳眼所見は空華とあるを伝聞する凡愚おもはくは、翳眼といふは、衆生の顛倒のまなこをいふ、病眼すでに顛倒なるゆえに、浄虚空に空華を見聞するなりと消息す。この理致を執するによりて、三界・六道、有仏・無仏、みなあらざるを、ありと妄見するとおもへり。この迷妄の眼翳もしやみなば、この空華みゆべからず、このゆえに空本無華と道取すると活計するなり。あはれむべしかくのごとくのやから如来道の空華の時節・始終をしらず。諸仏道の翳眼空華の道理、いまだ凡夫・外道の所見にあらざるなり。諸仏如来、この空華を修行して、衣座室をうるなり、得道・得果するなり。拈華し瞬目する、みな翳眼空華の現成する公案なり。正法眼蔵涅槃妙心、いまに正伝して断絶せざるを翳眼空華といふなり。菩提・涅槃・法身・自性等は、空華の開五葉の両三葉なり。
釈迦牟尼仏言、亦如翳人見空中華翳病若除華於空滅。この道著あきらむる学者いまだあらず。空をしらざるがゆえに、空華をしらず、空華をしらざるがゆえに、翳人をしらず、翳人をみず、翳人にあはず、翳人ならざるなり。翳人と相見して、空華をもしり、空華をもみるべし。空華をみてのちに、華於空滅をもみるべきなり。ひとたび空華やみなば、さらにあるべからずとおもふは、小乗の見解なり。空華みえざらんときは、なににてあるべきぞ。ただ空華は所捨となるべしとのみしりて、空華ののちの大事をしらず、空華の種熟脱をしらず。

今月の所感

今月から年番幹IMG_2700.jpg事が五十嵐と齋藤さんに代わりました。刑部さん、吉澤さん、昨年一年間年番幹事をお勤めくださりご苦労様でした。今年は龍泉院参禅会発足49年になります。来年は50周年を迎えますので。どのような記念行事を行うのか、今年中に計画を立てたいと思っています。皆様のご協力をお願いいたします。

今月の「空華」の巻では、最初に空華について次のように拈提がなされています。
ただただ諸仏諸祖だけが空の華、地の華、世界の華がちり落ちるのを知っており、空華、地華、世界華などが不変の真実を説く経典であることを知っている。まさにこれこそが仏道を学ぶ物差しである。仏祖が我がものにしているよりどころは空華であるから、仏の世界および諸仏の教えは、まさにそのまま空華なのであると。即ち、空華とは諸仏が説く仏の世界のことであると道元禅師は述べておられます。
道元禅師は次に、我々凡夫の空華観を具体的に提示し、凡夫の空華観が全く間違っていることを示されています。
如来の言葉に「眼病を患っている人の見るところは、空中に見る華である」とある。それを聞いて凡愚の人は、「眼病を患っている」とは真実を顚倒してみる眼であり、患っている眼では真実を顚倒して見ることになるから、虚空に空しい花を見ているのだろうと考えてしまうものである。
また凡愚の人はこのような考えに執着しているから、欲界・色界・無色界の三界も、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六道も、あるいは仏ありの世界も仏無しの世界もみなすべて、ありもしないものをあるとして、誤った見方をしてるのだと考えてしまう。
さらに言えば、そのような真実を顚倒して見る眼の病がよくなれば、もはやありもしない空の華などは見えないのであるから、「空にはもともと華などはない」と考えるのである。
このように我々凡夫の空華観は、如来の空華観と大きく異るのです。それは如来が空華をしっかりと修行し得たからであり、かの霊鷲山での拈華微笑の機縁も、空華を修行し、かすめる眼のかげりとしての空の花という公案を解いて、そこに到ったのであると道元禅師は述べられています。
それでは凡夫はどのように空華を修行すればよいのでしょうか。その前提として、釈迦牟尼仏の「また眼病の人が空中に華を見るようなものである。眼病がもし治れば、華は空中でなくなるであろう」という言葉があるが、仏道修行者でこの言葉を明らかにしたものはいまだかって一人もいないという事実をあげられています(因みに釈迦牟尼仏が言われた言葉は『首楞嚴経』卷4に見える言葉です)。
釈迦牟尼仏の言葉を明らかにできないのは、空とはどのようなものかを知らないから空華を知ることができない。空華を知らないから、眼病の人のことを知ることができないし、眼病の人を見ることもできないし、眼病の人に逢うこともできないし、ましてや自ら眼病の人になることもないのである。
よく眼病の人と相まみえてこそ、はじめて空華のなんたるかを知り、自ら空華を見ることができるに違いない。空華を見てのちに、はじめて「華が空中になくなること」もわかることになると、道元禅師は示されています。
では、空華が消えてなくなった時はいったいどうなるのでしょうか。凡夫や小乗の人の考えは、ただ捨てられその他には何も残らないと思い、その後の大事なことを思いつかないのである。
実は空華にも種がおちて、熟して殻から芽が出てくる時がある。即ち解脱の時があることを知らなければならない。それは人々に因縁の種がおち、更に修証が熟して解脱すると同じようにと、道元禅師はお示しになられています。

五十嵐年番幹事からのお知らせ

・2月2日(日)午後1時半から行われる新年会の会場が、昨年までの「うどん市」から我孫子駅北口にある「はなぜん」にかわりました。改めて新年会のお知らせをお配りしますので、奮ってご参加ください。
新年会のお知らせ>>
・2月15日(土)午後2時から三仏忌の一つである涅槃会が行われます。参加ご希望の方は午後1時半までにご来山ください。
・2月5日(水)午後4時から曹洞宗宗務庁主催による「禅を聞く会」がよみうりホールで行われます。映画『典座』の上映と青山俊董老師の講演があります。
禅を聞く会のお知らせ>>


刑部さんからのお知らせ

・令和元年の会計報告を小畑代表にし、了解をいただきました。令和元年では繰越金が72085円増加しました。この会は、毎月の例会の志納金で成り立っています。このことをよくご理解下さるようお願いいたします。
・1月22日(水)午前10時から柏中央公民館学習グループの坐禅体験会が行われ、14名(男性4名、女性10名)の参加がありました。参禅会からは11名が指導にあたりました。女性は初めイス坐禅を希望していましたが、坐禅堂に入ると一人を除いて全員単で坐ることになりました。後日、生涯学習グループの方からお礼の葉書をいただきました。

小畑代表幹事からのお知らせ

・刑部さん、吉澤さん、昨年一年間年番幹事ご苦労様でした。今年は五十嵐さんと齋藤さんでよろしくお願いいたします。

ご老師からのお知らせ

・1月28日(火IMG_2704.jpg)午前10時から初不動があります。ご祈祷をお願いしたい方は申し込んでください。

今月の
司会者 山本 三郎
今月の参加者 33名(新人3名)
来月の参加者 門脇   弘


最終更新日 ( 2020/02/05 水曜日 13:01:50 JST )
 
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