平成二六年一一月定例参禅会報告 プリント

今月の提唱

『正法眼蔵』「佛道」の巻(10)

img_6349-1.jpg曹谿古佛、すでに靑原をわが子を子ならしむ。子の父の父の父とある、得髓あきらかなり。祖宗の正嗣なることあきらかなり。
洞山大師、まさに靑原四世の嫡嗣として、正法眼藏を正傳し、涅槃妙心開眼す。このほかさらに別傳なし、別宗なし。大師かつて曹洞宗と稱ずべしと示衆する拳頭なし瞬目なし。また門人のなかに庸流まじはらざれば、洞山宗と稱ずる門人なし、いはんや曹洞宗といはんや。
曹洞宗の稱は、曹山を稱じくはふるならん、もししかあらば雲居同安をもくはへのすべきなり。雲居は、人中天上の導師なり、曹山よりも尊崇なり。はかりしりぬ、この曹洞の稱は傍輩の臭皮袋、おのれに齊肩ならんとて、曹洞宗の稱を稱ずるなり。まことに白日あきらかなれども、浮雲しもをおほふがごとし。
先師いはく、いま諸方獅子の座にのぼるものおほし、人天の師とあるものおほしといへども知得佛法道理箇渾無。
このゆゑに、きほうて五宗の宗を立し、あやまりて言句の句にとどこほれるは、眞箇に佛祖の怨家なり。あるいは黄龍の南禪師の一派を稱じて黄龍宗と稱じきたれりといへども、その派とほからず、あやまりをしるべし。おほよそ世尊在世かつて佛宗と稱じましまさず、靈山宗と稱ぜず、祇園宗といはず、我心宗といはず、佛心宗といはず。いづれの佛語にか佛宗と稱ずる。いまの人なにをもてか佛心宗と稱ずる。世尊なにのゆゑにかあながちに心を宗と稱ぜん。宗なにによりてかかならずしも心ならん。もし佛心宗あらば佛身宗あるべし、佛眼宗あるべし。佛耳宗あるべし、佛鼻舌等宗あるべし。佛髓宗、佛骨宗、佛脚宗、佛國宗等あるべし。いまこれなし、しるべし佛心宗の稱は僞稱なりといふこと。
釋 牟尼佛、ひろく十方佛土中の諸法實相を擧拈し、十方佛土中をとくとき、十方佛土のなかに、いづれの宗を建立せりととかず。宗の稱もし佛祖の法ならば、佛國にあるべし、佛國にあらば、佛説すべし。佛不 なり、しりぬ佛國の調度にあらず。祖道せず、しりぬ祖域の家具にあらずといふことを。ただ人にわらはるるのみにあらざらん、諸佛のために制禁せられん、また自己のためにわらはれん。つつしんで宗稱することなかれ、佛法に五家ありといふことなかれ。
後來智聰といふ小兒子ありて、祖師の一道兩道をひろひあつめて、五家の宗派といひ、人天眼目となづく。人これをわきまへず、初心晩學のやから、まこととおもひて衣領にかくしもてるもあり。人天眼目にあらず、人天の眼目をくらますなり。いかでか瞎却正法眼藏の功德あらん。
かの人天眼目は、智聰上座、淳煕戊申十二月のころ、天台山萬年寺にして編集せり。後來の所作なりとも、道是あらば聽許すべし。これは狂亂なり、愚暗なり。參學眼なし、行脚眼なし、いはんや見佛祖眼あらんや。もちゐるべからず。智聰といふべからず、愚蒙といふべし。その人をしらず、人にあはざるが、言句をあつめて、その人とある人の言句をひろはず。しりぬ人をしらずといふことを。

今月の所感

img_6356-1.jpg今月の「佛道」の巻では曹洞宗と言う宗派の名称について取り上げ、いかに曹洞という名称が理に合わないかを拈提されています。因みにご老師から何故曹洞宗という名称ができたのかについて、その由来を下記のようにご説明されました。
洞山禅師の法嗣である曹山本寂の系統は五代十国時代には大変盛んになり、曹山宗と呼ぶようになったそうです。ところが宋代に入ると曹山宗は衰え、かわって洞山禅師のもうひとりの法嗣である雲居道膺の系統が、大きな勢力を持つようになりました(道元禅師も雲居の系統にあたります)。
そこで雲居の系統の人達は、かつて曹山宗があったことを念頭に、自分たちの系統を曹洞宗と呼ぶようになったとの事でした。
ところで今月のご提唱の終りにある「その人をしらず、人にあはざるが言句をあつめて、その人とある人の言句をひろはず。しりぬ人をしらずといふことを」に関連して、「自分の人生の糧となる本は非常に少ない。それを見分けることができるか否かで、人生が豊かになるかならないかが決まります。本ものを得て本物を表現しなければならない」と、仰られました。我々は如何に無駄な本を多く読んでいるか、後日知ることになるのでしょう。
『正法眼蔵』「佛道」の巻のご提唱の後の茶話会の司会者は清水秀男さんでした。茶話会の冒頭に清水さんが用意された「初心」についてのレジメを配布し、ご説明されました。また今月のご老師の「口宣」も「初心者と久参の方との接点は発心である」と、初心に関連した内容であったことから、茶話会では「初心」について活発な発言が相続きました。久しぶりに活気を呈した茶話会でした。清水さんの茶話会に対するご配慮に感謝申し上げます。

小畑代表幹事からのお知らせ

・11月6日(木)に行われた「禅文化洞上墨蹟研究会」のイベントには、多くの方々がお手伝いくださり有難うございました。
・12月7日(土)に成道会が行われます。会費は1500円です。現在の参加申し込みは28名です。この他梅花講の方が7~8名参加されます。


御老師からのお知らせ

img_6359-1.jpg・「禅文化洞上墨蹟研究会」主催の行事には延10名の方がお手伝いくださり誠に有難うございました。前日からお掃除・飾り付け・展事、当日はご接待や駐車場の整理などにあたられ、お陰様で無事円成致しました。研究会の会長さん及び会員の方からもお礼のお手紙を頂きました。
・12月6日(土)の午後1時から柏駅前で、毎年恒例の千葉県曹洞宗第7支部主催「歳末助け合い托鉢」を行います。参加される方は12時半までに長全寺に集合してください。昨年は四大不調で参加できませんでしたが、今年は体調万全にして参加いたします。
・松田薫さんが書かれた『典座教訓の滴』(天徳院出版)が刊行されました。松田さんは料理研究家で料理教室でも典座教訓の教えを実践されています。2000円で配布していますので購入希望の方はお知らせください。

今月の司会者 清水 秀男
来月の司会者 鈴木 民雄
今月の参加者 28名


最終更新日 ( 2015/02/24 火曜日 08:54:30 JST )
 
< 前へ   次へ >
Copyright (C) 2008 ryusenin.org All Rights Reserved.