平成三〇年八月定例参禅会報告

今月の提唱

『正法眼蔵』「佛經」の巻(5)

img_0876.jpg-1.jpgしかあるに大宋国の一二百餘年の前後にあらゆる杜撰の臭皮袋いはく、祖師の言句、なほこころにおくへからす。いはんや経教は、なかくみるへからす、もちゐるへからす。たた身心をして枯木死灰のことくなるへし。木杓脱底桶のことくなるへし。かくのことくのともから、いたつらに外道天魔の流類となれり。もちゐるへからさるをもとめてもちゐる、これによりて佛祖の法むなしく狂顛の法となれり。あはれむへしかなしむへし、たとひ破木杓脱底桶も、すなはち佛祖の古経なり。この経の卷数部帙、きはむる佛祖まれなるなり。佛経を佛法にあらすといふは、祖の経をもちゐし時節をうかかはす、佛祖の從経出の時節を参學せす、佛祖と佛経との親疎の量をしらさるなり。かくのことくの杜撰のやから、稲麻竹葦のことし。獅子の座にのほり人天の師として天下に叢林をなせり。杜撰は杜撰に學せるかゆゑに、杜撰にあらさる道理をしらす、しらされはねかはす。從冥入於冥あはれむへし。いまたかつて佛法の身心なけれは、身儀心操、いかにあるへしとしらす。有空のむねあきらめされは、人もし問取するとき、みたりに拳頭をたつ。しかあれともたつる宗旨にくらし。正邪のみちあきらめされは、人もし問取すれは、拂子をあく。しかあれともあくる宗旨にあきらかならす。あるひは為人の手をさつけんとするには、臨済の四料簡、四照用、雲門の三句、洞山の三路、五位等を擧して、學道の標準とせり

今月の所感

img_0871.jpg-1.jpg今月の参禅会は猛烈な残暑に見舞われ、気温は37℃まで上昇、そのためか参加者はいつもの月より少なく25名でした。でも坐禅堂の中は冷房が効いていて快適に坐ることができました。もしエアコンがなかったら多分汗だくだくの坐禅になっていたでしょう。坐禅堂ができる前ならば、本堂で汗まみれになって坐っていたことでしょう。
ご老師もこのことを念頭に置かれて、洞山良价禅師の公案である「無寒暑」を取り上げた『正法眼蔵』「春秋」の巻について、口宣されました。
ある僧が洞山さんに「寒暑到来、如何が廻避せん」と質問すると、
洞山さんは「何んぞ無寒暑の処に向かって去らざる」と答えました。
僧は無寒暑とはどのような処なのかわからないので、「如何ならんか是れ無寒暑処」と質問しました。
すると洞山さんは「寒時には闍梨を寒殺し、熱時には闍黎を熱殺す」と答えたのです。
洞山さんによれば、今日のような残暑厳しい熱時には、熱殺されるのがよかろうということになります。熱殺されるとは、この猛烈な暑さから何とか逃れようとするのではなく、汗まみれになって坐り通すことなのです。暑い時はとにかく熱いのだと諦めて、暑さの中に没頭する以外にはないということです。
本来ならばそのような坐禅に徹するべきでしょうが、我々はエアコンの効いた坐禅堂で、「無寒暑」のご提唱を聞きながら、涼しい顔で坐っていました。ほんと、洞山さんごめんなさい!申し訳ありませんでした。

今月の「佛經」の巻のご提唱は、仏経を仏法にあらずと標榜している杜撰な輩に対して、道元禅師が厳しく批判されているところです。仏経を仏法にあらずという杜撰な輩が、獅子の座に上り、人天の師となったり、天下の叢林の住持となったりしている。だがこのような人たちは、仏法の身心がなく、身儀心操はいかにあるべきかも知らず、有空の宗を明らかにすることができず、正邪の道理を明らかにすることもできないのである。だから、問答を仕掛けられると、やたら拳を振り上げたり、拂子をあげたりすることしかできないのだと、道元禅師は喝破されています。
最後に、臨済の四料簡、四照用、雲門の三句、洞山の三路、五位といわれる機関を教化の頼りにすることも、意味のないことであると批判されています。要は仏経をもとに仏法を学ぶべきであると、道元禅師はくり返し述べられているのです。

佐藤年番幹事からのお知らせ

img_0881.jpg-1.jpg・参禅会の年間行事表が大悲殿の玄関前の棚に置いてありますので、今後の参考にしてください。
・名札が無くなっている方がいます。家に持ち帰っている方は返却してください。
・自由参禅は第1日曜日と第2土曜日に行っています。原則入退堂自由となっていますが、午前9時前には入堂するようにしてください。退堂は自由です。



岡本明珠編集委員長からのお知らせ

・『明珠』70号の原稿はご老師の分を除いて全て揃いました。

小畑代表幹事からのお知らせ

・8月16日に行われました龍泉院施食会には、15名の方のお手伝いがあり無事円成しました。特に炎天下の中、駐車場の整理にあたられた方はご苦労様でした。
・45周年記念事業の一環である『やさしく読む参同契・宝鏡三昧』の記念出版が、9月10日となりました。9月の定例参禅会の時に、会員の方々には一冊お配りいたします。

ご老師からのお知らせ

・8月16日に行われました龍泉院施食会は参加者が150~160名となり、これまでで一番参加者が多かった。猛暑の中、駐車場整理係の方はさぞ大変だったことと存じます。感謝に堪えません。
・『やさしく読む参同契・宝鏡三昧』が9月10日に上梓される運びとなりました。9月8日発売の『大法輪』10月号に、『やさしく読む参同契・宝鏡三昧』の広告が掲載されます。

今月の司会者 河本 健治
今月の參加者 25名
来月の司会者 小畑 二郎

最終更新日 ( 2018/09/25 火曜日 17:29:41 JST )