令和二年一二月成道会報告 |
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![]() 午前9時から二炷の坐禅を行い、その後、本堂に移動して成道会の法要が行われました。ご老師が導師となり、先導が小畑さん、侍者が吉岡さん、侍香が松井さんの一行が本堂に入堂、釈尊成道を讃える拈香法語が読み上げられ、普同三拝の後、全員で般若心経一巻を唱和し、普同三拝して法要は終わりました。 つづいてご老師と参禅会員との一問一答が行われました。ご老師が六尺ほどの拄杖をドンと一突きして、「本日三八回目の成道会に対し、当山の善良愛好の菩薩の方、ともに澄上を一著せん、夢を裂いて澄上せよ。」と問答を促すご発生がありました。 ![]() 問:ご老師にとっての佛道とは如何に? 答:日々ただ精進するのみ。 以下続々と次のような問答が展開されました。 問:自意識が強く、ものごとへのこだわりも強く、仏にお任せする気持ちになれない。どのように心掛けて行けばよいのか? 答:自分が可愛いからこだわりが生じ、己を無くすることは誰でもできない。それを何とか克服するには、大自然の姿をトコトン見つめることです。 問:35年間坐禅を努めてきたがものにならなかった。駄目なものは死ぬまで駄目なのか? 答:死ぬまで駄目な者だと思っている方は本物です。 問:成功と失敗の違いは? 答:成功と失敗は正反対ではなく絡み合っている。成功と思ったものも失敗であるかもしれない。失敗と思ったものも成功かもしれない。成功・失敗に捉われず正しく真面目に一歩一歩歩んで行くことです。 問:坐禅で自他の見を止めることができるのでしょうか? 答:坐禅を向こうに見ていると、坐禅で何かができることを期待することになります。そうではなく、坐禅は、自分が行じている時こそ、これが本当の坐禅であると、しっかりとつかんで坐ることです。 ![]() 答:自分が一番可愛いので我を無くすことは非常に難しい。自然のルールを見つめ、常に自然と生きることに心掛けることです。 問:ご老師の人生の中で一番誇らしいものは何でしょうか? 答:何にもありません。皆、人に助けられた63年の住職生活でした。 問:63年のご住職を終え、東堂へ赴く足取りは如何ん? 答:足取りは極めて軽いです。まことにお世話になりまして感謝の言葉もありません。有難うございました。 この他にも老師との問答が多数あり、これまでで最も問答数が多い成道会でした。 ![]() 弁栄上人は龍泉院との縁が深く、龍泉院で何度も説法をされたそうです。また弁栄上人が描かれた「子安観音図」や「文殊菩薩図」が龍泉院にあり、本堂の前の菩提樹は125年前に弁栄上人がインド佛蹟巡拝の際に持ち帰えられた苗木を植樹したものです。 法話が終わりに、ご老師が『正法眼蔵』をご提唱する際にテキストを置く台を、杉浦さんが新しく制作されたので、その寄贈が行われました。 |
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最終更新日 ( 2020/12/10 木曜日 08:29:59 JST ) |
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