令和元年一二月定例参禅会報告 プリント

今月の提唱

『正法眼藏』「空華」の巻(3)

img_2659-1.jpgこの員数を具足せんために、森羅をあつめていよよかにせるなり。
この道理を到来せしめて、春秋をはかりしるべし。ただ春秋に華果あるにあらず、有時かならず華果あるなり。華果ともに時節を保任せり、時節ともに華果を保任せり。このゆえに、百草みな華果あり、諸樹みな華果あり。金銀銅鐵珊瑚頗梨樹等、みな華果あり。地水火風空樹、みな華果あり。人樹に華あり、人華に華あり、枯木に華あり。かくのごとくあるなかに、
世尊道、虚空華、なり。
しかあるを、少聞少見のともがら、空華の彩光葉華いかなるとしらず、わづかに空華と聞取するのみなり。しるべし、仏道に空華の談あり、外道は空華の談をしらず、いはんや覚了せんや。


今月の所感

美川恒子さんご逝去
img_7894-1.jpg参禅会の始まる前に小畑代表から美川恒子さんがお亡くなりになられたと告げられ、あまりの衝撃に「エッ」と大声を出してしまいました。11月の定例参禅会には一緒に坐られていた美川さんが突然ご逝去されてしまうとは、世は無常と言いながらも、信じられない、信じたくないというのが実感です。9月には三町さんが、そして年末に美川さんの奥様があいついでお亡くなりになられました。ご老師が口宣で常に、「明日はわからない、今一時、今回限りという気持ちでシッカリ坐りましょう」と言われますが、その言葉が今さらながらヒシヒシと伝わってきます。
茶話会の時ご老師は嗚咽しながら、美川恒子様がお亡くなりになられたことを皆様に告げられました。ご老師の引磬の音を合図に、美川さんの御冥福を祈って一分間の黙祷を捧げました。なお、美川恒子様のお通夜は12月25日(水)午後6時から、告別式は26日(木)午後1時半から、ご老師が導師となられて執り行われました。


大掃除
img_2669-1.jpg一年間お世話になったお礼として、年末の大掃除が行われました。茶話会の後に本堂・大悲殿・坐禅堂担当の三班に分かれ、それぞれ1時間ほどかけて、すす払い、雑巾がけなどの掃除作務を行い一年間の埃を掃いました。
大掃除の後は全員大悲殿に集合して、龍泉院様でご用意してくださったお餅で、味噌仕立てのお雑煮をいただきました。



今月の「空華」の巻のご提唱には注目すべき箇所が2箇所ありました。それは道元禅師の時間観と空華観がはっきりと述べられているところです。
道元禅師の時間観について
まず「ただ春秋に華果あるにあらず、有時かならず華果あるなり」の箇所です。
ただ春には華が咲き、秋には果が実るというだけではなく、時が有るということは必ず華も果もあるのであるというのですが、ここで「有時」という言葉が出てきます。
有時とは道元禅師の独自の時間観で、有(存在)をそのまま時とみる立場から、時はものが存在して初めて時がつくられるといいうのです。我々は時は流れるものとして捉えていますが、道元禅師は時は存在であると対比的に打ち出しているのです。
「いはゆる有時は、時すでにこれ有なり、有はみな時なり」(『正法眼蔵』「有時」)。
春だから華か咲くのではなく、華が咲いたから春なのであり、果が実るから秋という時がつくられるのです。
道元禅師の空華観について
続けて「華果ともに時節を保任せり、時節ともに華果を保任せり」と、華果と時節が回互していることが述べられています。この後、「空華」の巻の肝ともいうべき言葉が綴られています。
img_2656-1.jpg「世尊道、虚空華、なり。しかあるを、少聞少見のともがら、空華の彩光葉華いかなるとしらず、わづかに空華と聞取するのみなり。しるべし、仏道に空華の談あり、外道は空華の談をしらず、いはんや覚了せんや」。
世尊は次のように言われた、「虚空華」であると。このような世尊の言葉があるのに、無知な者たちは空華の花や葉の様子がどのようなものであるかも知らない。矮小化して空華を空しい華ととらえてしまっている。仏道には「空華」のはなしはあるが、外道に「空華」のはなしがあることを聞いたことがないし、空華の真実をしっかりと捉えていることなどありはしないと、道元禅師は断定しています。
道元禅師は「空華」を眼病患者が見る幻の花のように、仏道の道理をわきまえない人が、物事を実体化して捉えてしまった結果生ずる幻いう通常の解釈を越えて、「仏世界および諸仏法」は「空華」に他ならないというのです。
即ち「幻」として否定的な意味をもつ「空華」を、存在の真相を表す言葉として肯定的に解釈しているのです。
次回からは道元禅師の空華観が具体的に示される重要な場面へと入って行きます。来月のご提唱が楽しみです。


刑部年番幹事からのお知らせ

・来年1月22日(水)午前10時から柏市中央公民館生涯学習グループの坐禅体験会があります。参加者が15名予定されていますので、お手伝いしてくださる方を募集しています。お手伝いできる方は年番幹事までお知らせください。

五十嵐次期年番幹事からのお知らせ

・2月2日(日)午後2時から「うどん市」で新年会を行うとお知らせしていましたが、会場の都合により2月2日(日)午後1時半から我孫子駅北口にある「はなぜん」で新年会を行うことになりました。参加費は男性5000円、女性4000円です。参加される方は年番幹事までお知らせください。また来年の行事が決まりましたので年間行事予定表をお配りいたします(行事予定表一部訂正しました。再度ご覧ください)。
      新年会のお知らせ>>  令和2年行事予定表>>
・来年2月5日(水)午後3時より「禅をきく会」が有楽町よみうりホールで行われます。愛知専門尼僧堂の堂長青山俊董老師の講演と映画『典座』が上映されます。入場無料です。

      禅をきく会>>

小畑代表幹事からのお知らせ

・成道会の参加者は29名でした。また歳末助け合い托鉢の参加者は、ご老師と明石師と参禅会員15名でした。
・これから新しくできた宝蔵に寺宝を収納しますので、4~5名の方にお手伝いをお願いいたします。
・刑部さん、吉澤さん、1年間年番幹事ご苦労様でした。来年は五十嵐と齋藤さんに年番幹事をお願いすることになりました。
・今日の茶話会の添菜は吉岡大龍さんからです。


明石師からのお知らせ

・美川恒子さんとは同じ京都出身なので、身近にご縁を感じていました。

ご老師からのお知らせ

img_2666-1.jpg・宝蔵に掛け軸を70~80本ほど搬入したいのでお手伝いをお願いいたします。
・千葉県330ヶ寺の2/3が台風の被害を受けました。龍泉院は山門が被害を受けました。山門の鬼瓦がまだ焼き上がらないので、今年中に修理を終えることができません。修理費のほとんどは火災保険で間に合うことになりました。

今月の司会者 茂木 伸
今月の参加者 32名(新人2名)
来月の参加者 山本 三郎


最終更新日 ( 2020/01/16 木曜日 13:30:39 JST )
 
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