令和元年一〇月定例参禅会報告 プリント

今月の提唱

『正法眼藏』「空華」の巻(1)

高祖道、一華開五葉、結果自然成。この華開の時節、および光明色相を参学すべし。一華の重は五葉なり、五葉の開は一華なり。一華の道理の通ずるところ、吾本来此土、伝法救迷情なり。光色の尋処は、この参学なるべきなり。結果任儞結果なり、自然成をいふ。自然成といふは、修因感果なり。公界の因あり、公界の果あり、この公界の因果を修し、公界の因果を感ずるなり。

今月の所感

img_2609-1.jpgこれまで台風とはあまり縁のなかった千葉県ですが、今年は相次いで台風の来襲に見舞われ、特に房総地区は甚大な被害を蒙りました。台風や大雨の被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。
龍泉院も台風15号では特に被害はありませんでしたが、台風19号では強風により山門脇の大木の杉の枝が折れ、山門の屋根を直撃して瓦などを破損させました。
屋根施工の業者さんたちは、被害の大きかった房総地区へ出かけているので、なかなか山門の修理には手が回らず、修理は進まないようです。年内に修復されることを切に願うところです。
さて先月で難解な「海印三昧」の巻のご提唱が終わり、今月からは「空華」の巻が始まりました。『正法眼蔵』75巻本では「海印三昧」の次が「空華」の巻となっています。
「空華」の巻は寛元元年(1243)三月十日興聖宝林寺において衆に示されたものです。
空華の花は、ご老師によれば梅の花だそうです。三月はまさに梅の花が開いている時節です。
因みに空華とは空中の華(実現しないもののたとえ)であり、または眼を患っている人が空中に見える幻の花のように、実体がないのに実体があるかの如く思うことを意味しています。
「空華」の巻の最初に「高祖道、一華開五葉、結果自然成」とありますが、高祖とは菩提達磨大師のことで、「一華開五葉、結果自然成」は菩提達磨大師の偈の一句です。『景徳傳燈録』巻三の菩提達磨の章には「吾本來茲土 傳法救迷情 一華開五葉 結果自然成」という偈頌が見えます。
img_2608-1.jpg次の「一華開五葉、結果自然成」とは、梅の花が開くと花弁は五弁あり、その結果梅の実が自然と結ばれるということです。
これは単に梅の花のことを頌したものではなく、何かをたとえた比喩だと思います。ですから次にその花によっていわんとするところは、「吾本来此土、伝法救迷情なり」だと道元禅師は述べておられます。
即ち、達磨大師がインドから中国へ来られたのは、仏道を伝えて多くの人々の迷える心を救うためにある。仏道の華が一つ開けば、その結果実がなり、その実からさらに新しい木が生じて、次から次へと仏道の華が繁殖してゆくように、達磨の教えも代々伝わってゆくことになる。その実の結ぶところは「結果任儞結果なり」で、自然の成り行きに任せるべきであると道元禅師は述べておられます。
だが自然の成り行きに任せるといっても、何もしないことではありません。道元禅師は「自然成といふは、修因感果なり」と言っておられるように、原因となる修行をしてこそ結果を感じ取ることができるのです。何も修行しないで寝ていても、果実を享受することはできません。
また原因となる修行も「公界の因果を修し、公界の因果を感ずるなり」とあるように、公界で修業しなければなりません。
img_2607-1.jpg公界とはどこでしょうか。公界は①公共的な世界、②公の修行道場の二つの意味がありますが、ここでは②公の修行道場のことです。修行道場で坐禅や作務などの修行をしてこそ、仏道の華が開き、実を結んでゆくことになるのです。
因みに龍泉院の坐禅堂の外単に『常規』が掲げられており、その第一番目に「雲堂は公界の道場にして、修道者には常に開放を惜しまず」と書かれています。龍泉院の坐禅堂は公の道場であり、修行者にはいつでも開放されているのです。


刑部年番幹事からのお知らせ

・12月8日(日)に成道会が行われます。参加を希望する方は来月の参禅会までに申し込んでください。参加される方はご老師への質問を考えておいてください。
       成道会の案内はこちらから>>
・坐禅体験会が10月25・26日に行われました。25日(金)は土砂降りの雨の中で、開智国際大学国際教養学部古賀万由里先生とゼミ生10名が来山され、坐禅体験をされました。26日(土)は開智国際大学学園祭で出張坐禅体験会を行い、参加者は26名でした。因みに昨年は22名でした。
・11月9日(土)の午後2時から4時まで、松戸市交流会の坐禅体験会が行われます。参加者は10名です。お手伝いできる方はお知らせください。

小畑代表幹事からのお知らせ

・永平寺の広報誌『傘松』の裏表紙に、10月28日(月)から11月4日(月)まで、ご老師が講師を務められる永平寺眼蔵会の広告が掲載されていました。

ご老師からのお知らせ

・坐禅普及委員会で坐禅体験会開催の努力を続けられていますが、小さな活動がやがて大きな活動へとつながってゆきます。
・9月9日の台風15号と10月12日の台風19号で山門脇の杉の大木の枝が折れ、山門の屋根が損傷しました。被害額は330万円です。火災保険で補償されるよう交渉中です。
・今年の成道会は本当に最後となります。できるだけ多くの方が参加するようにして下さい。

今月の司会者 石澤 健
今月の参加者 29名
来月の参加者 中原 悦男

最終更新日 ( 2019/10/29 火曜日 10:51:11 JST )
 
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