平成三一年一月定例参禅会報告 プリント

今月の提唱

『正法眼蔵』「佛經」の巻(9)

img_1660.jpg-1.jpg佛道なけすつへくは、祖道なけすてさらんや。佛道祖道ともになけすては、一枚の禿子の百姓ならん。たれかなんちを喫棒の分なしといはん。たた王臣の駆使のみにあらす、閻老のせめあるへし。近来の長老等、わつかに王臣の帖をたつさへて、梵刹の主人といふをもて、かくのことくの狂言あり。是非を辨するに人なし、ひとり先師のみこのともからをわらふ。餘山の長老等すへてしらさるところなり。
おほよそ異域の僧侶なれは、あきらむる道かならすあるらんとおもひ、大国の帝師なれは達せるところさためてあるらんとおもふへからす。異域の衆生、かならすしも僧種にたへす。善衆生は善なり、惡衆生は惡なり。法界のいく三界も、衆生の種品おなしかるへきなり。
また大国の帝師となること、かならすしも有道をえらはれす。帝者また有道をしりかたし、わつかに臣の擧をききて、登用するのみなり。古今に有道の帝師あり、有道にあらさる帝師おほし、にこれる代に登用せらるるは、無道の人なり、にこれる世に登用せられさるは、有道の人なり。そのゆゑはいかん。知人のとき不知人のときあるゆゑなり。黄梅のむかし神秀あることをわすれさるへし。神秀は帝師なり、簾前に講法す、箔前に説法す。しかのみにあらす、七百高僧の上座なり。黄梅のむかし盧行者あること信すへし。樵夫より行者にうつる、搬柴をのかるとも、なほ碓米を職とす。卑賎の身うらむへしといへとも、出俗越僧、得法伝衣、かつていまたむかしもきかさるところ、西天にもなし、ひとり東地にのこれる、希代の高躅なり。七百の高僧もかたを比せす、天下の龍象あとをたつぬる分なきかことし。まさしく第三十三代の祖位を嗣續して佛嫡なり。五祖知人の知識にあらすは、いかてかかくのことくならん。
かくのことくの道理、しつかに思惟すへし、卒爾にすることなかれ。知人のちからをえんことをこひねかふへし。人をしらさるは自佗の大患なり、天下の大患なり、廣學措大は要にあらす。知人のまなこ、知人の力量、いそきてもとむへし。もし知人のちからなくは、曠劫に沈淪すへきなり。
しかあれはすなはち佛道にさためて佛経あることをしり、廣文深義を山海に参學して、辨道の標準とすへきなり。
正法眼蔵 佛經
爾時寛元元年癸卯秋九月菴居于越州吉田縣吉峰寺示衆

今月の所感

img_1652.jpg-1.jpg昨年の4月から始まった「佛經」の巻のご提唱は今月で終了となりました。今月のご提唱では「知人」がキイワードとなっています。
「知人」とは「人物を見分ける」とか「人の器量を把握する」ことです。「知人」については『正法眼蔵』の中で、「佛經」の巻以外に「坐禅箴」や「行持」下や「伝衣」の巻にも見られますが、「佛經」の巻ほど多くは使われていません。「佛經」の巻の最後に「知人」が多く述べられ、「知人」の重要性が大変強調されているのです。
まず「知人」の代表者として黄梅山の五祖弘忍禅師が取り上げられています。五祖弘忍はまさに知人の善知識であったからこそ、碓米の行者であった慧能を六祖として伝衣したのです。
五祖弘忍が六祖慧能を嗣法した話の締めくくりに、「五祖知人の知識にあらすは、いかてかかくのことくならん」と述べられ、続いて「しつかに思惟すへし、卒爾にすることなかれ」と、『修証義』に取り入れられていいる有名な語句が記されています。
道元禅師は「知人」の重要性として、「人をしらさるは自佗の大患なり、天下の大患なり、廣學措大は要にあらす」と述べ、広く学問を修めたり、大きな仕事をすることよりも、知人の力を得ることの方がよほど大切であることを説いておられます。
では知人の力を得るにはどうすればよいのでしょうか。ご老師は「大事な時に図星のことをできる人が知人」だと仰られました。要は大事な時には坐禅をし、冷静になって、わだかまりの心を捨て、その上で考え行動することかもしれません。

刑部年番幹事からのお知らせ

・今年は私と吉澤さんで年番幹事を務めます。
・2月3日(日)午後2時から新年会を「うどん市」で行います。現在の参加申込者は15名です。まだ参加申込をしていないで参加ご希望の方は、年番幹事か小畑代表にお知らせ下さい。
・2月15日(金)午後2時から涅槃会が行われます。現在参加申込者は12名です。配役は、先導は小畑代表、副堂は五十嵐、維那は杉浦、殿鐘は小山、侍者は松井、侍香は山桐です(敬称略)。
・昨年の会計報告は来月の定例参禅会で行いますが、参禅会の財政を支えているのは志納金です。志納金へのご協力をお願い致します。


小畑代表幹事からのお知らせ

・今年の年番幹事は刑部さんと吉澤さんにお願いすることになりました。一年間宜しくお願い致します。
・年間行事予定表を配りましたのでご覧ください。
          年間行事予定表>>
・2月3日(日)は午後に新年会がありますが、午前中は自由参禅もあります。新年会では毎年一人3分間のスピーチがありますので、時間制限のない「うどん市」で行っています。お酒の持ち込みも自由です。
          新年会案内>>
・2月15日(金)の涅槃会も奮ってご参加ください。
・古い会員の藤原公さんが昨年11月にお亡くなりになられました。

ご老師からのお知らせ

img_1656.jpg-1.jpg・『やさしく読む参同契・宝鏡三昧』は、初版本の誤った箇所を訂正して、大法輪閣から600部再版されました。
・今年は東堂になりますが、抱負は新年会で述べたいと思いますので、是非多くの方が新年会にご参加されることを希望します。
・東堂と宝蔵庫を夏までに建てる予定です。その後、家具や宝物や書架などを移転して、新しい住職に庫裡を譲ります。
・平山郁夫展が2月16日(土)~28日(木)までパレット柏で開催されます。初公開の作品が20点展示されるそうです。
                    平山郁夫 ― その輝き始めた原石 ―>>


今月の司会者 岡本 匡房
今月の参加者 28名
来月の司会者 山本 三郎



最終更新日 ( 2019/02/02 土曜日 18:22:10 JST )
 
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