平成三〇年二月涅槃会報告 プリント

img_0428.jpg-1.jpg春三月を思わせる穏やかな日和の二月一五日午後二時、梅花講の御詠歌の中、涅槃会が定刻通り始まり、滞りなく終了しました。
式後、御老師が次のようなご法話をなさいました。
雪深い地方では、一ヶ月遅れの三月の一五日に涅槃会が行われるところもあります。信仰の厚い東北などでは五色の団子が配られ、五色の団子を食べると風邪をひかないとか、小さく切って乾しておき、かき餅にしていただくと、なお功徳があると言われています。また、それを食べないで財布の中に一つ入れておくと、財布を落とさないという信仰まであります。当山では涅槃会を行っていますが、関東では行うお寺は殆どありません。このように当山で涅槃会が行われるのは、皆様方のお力によるもので、有難いことだと思っています。
世はまさに無常であります。お釈迦様でも八〇歳で生涯を閉じなければならなかった。この無常は何時襲ってくるかわからない。四日前の午前中、檀家さんに裏の山掃除をお願いしていました。山掃除で出た枝や落葉は大きく掘られた穴に入れて燃しました。午後からは参禅会の新年会に出かけ、夕方五時半に帰ってきました。その頃から強風が吹いて来ましたので、裏山の火の後始末が気になり見に行きました。案の定、山掃除のごみを捨てた穴のうち、二ヶ所が真っ赤に燃え上がっていました。風にあおられる度に火の粉が四方に飛び散り、だんだんと暗くなるにしたがって、恐ろしい様相となってきました。
img_0436.jpg-1.jpgそこで急ぎバケツに水を汲んで消火にあたりました。最初は五、六回水を運べば大丈夫だと思っていましたが、そのうちだんだん風が強くなってきましたので、五〇回ぐらい往復し、七時過ぎにようやく消すことができました。その時は火事場の馬鹿力で、夢中で消火にあたりましたが、後で手が上がらない状態になりました。天候は何時急変するか分かりません、火はしっかりと消さならないことを、つくづくと思い知らされました。
梅花講、参禅会の皆さんと無事、涅槃会の法要が務まったことは誠に有難いことです、梅花講、参禅会の方で、昨年は元気だった方が今年は物故されているのが現実の姿です。お釈迦様が最後の最後に仰せられたお言葉は、「世は無常だよ、無常の中に生きとし生けるものは活かされているんだ。だから時を無駄にしないで、一つ一つ確実に行っていきなさい」というものでした。このような貴いお教えがあるからこそ、わたくし共はお釈迦様をよりどころにして、生きがいを見出すことができるのです。
img_0437.jpg-1.jpg西行法師の歌に、「願はくは花の下にて春死なむ その如月の望月の頃」があります。お釈迦様の命日の二月の満月の時に死にたいと願った歌ですが、西行法師はその通りに亡くなられたのです。花の下とは沙羅双樹の華だそうです。お釈迦様の亡くなられた日に、沙羅双樹の華の下で死にたいものだという願いを詠い、持ち続けた結果、願い通りに亡くなられたのです。
道元禅師にも「切に思うことは必ず遂ぶるなり」というお言葉があります。何時でもこうありたい、こうありたい、こうありたいと、良いことに対する願いを常に持ち続けていると、それは成し遂げられるのだということです。
凡人は願い事を百パーセントかなえることはなかなかできませんが、良い願いを常に持ち続けていれば、その願いがどこかに通ずることが必ずあるのです。涅槃会にあたり、西行さんや道元禅師の思いを鑑みて、教えられるところがあれば学んでいきたいものであります。
幾つになっても願いがあってよいのです、なくてはならないのです。歳には関係ないのです。そのような気持ちを、お互いに持ち続けていきたいものです。
img_0442.jpg-1.jpgなお、参加者は御老師と梅花講六名、参禅会員一四名でした。円成後、報恩の坐禅を一炷組み、今泉さんの点てたお茶と小畑代表、龍泉院からのお菓子をいただき、和んだ後に散会しました。また、龍泉院さまからお供物の五色のお団子を頂きました。

家に帰り風邪をひかないようにと お団子を有難くいただきました。また、小さく切ったお団子を乾かし財布に入れて、お金が貯まりますようにと切に願うあたりは、まだまだ煩惱に振る舞わされているからで、道元禅師にお目玉を食らわれそうです。

最終更新日 ( 2018/04/30 月曜日 10:20:17 JST )
 
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