平成三〇年一月定例参禅会報告 プリント

今月の提唱

『正法眼蔵』「(後)心不可得」の巻(6)

img_0379.jpg-1.jpgちなみに國師すなはち三藏を叱していはく、這野狐精、他心通在甚麼處、かくいふに、三藏なほいふことなし。
つらつらこの因縁をおもふに、古先ともにおもはくは、いま國師の三藏を叱すること、前両度は國師の所在をしるといへども、第三度しらざるがゆゑに叱するなりと。しかにはあらず。おほよそ三藏の野狐精のみにして、佛法は夢也未見在なることを叱するなり。前両度はしれり、第三度はしらざるといはぬなり。叱するは總じて三藏を叱するなり。國師のこころは、まづ佛法を他心通といふことありやいなやともおもふ。またたとひ他心通といふとも、他も佛道にならふ他を擧すべし。心も佛道にならふ心を擧すべし。通も佛道にならふ通を擧すべきに、いま三藏いふところは、かつて佛道にならふところにあらず、いかでか佛法といはんと國師はおもふなり。試驗すといふは、たとひ第三度いふところありとも、前両度のごとくならば、佛法の道理にあらず。國師の本意にあらざれば、叱すべきなり。三度問著するは、三藏もし國師のことばをきくことやあると、かさねて問著するなり。
二には、國師の身心をしらずといふは、いはゆる國師の身心は、三藏のしるべきにあらず通ずべきにあらず、十聖三賢およばず、補處等覺のあきらむるにあらず、凡夫三藏いかでかしらんと、この道理あきらかに決定すべし。國師の身心は、三藏もしるべしおよぶべしと擬するは、おのれすでに國師の身心をしらざるによりてなり。他心通をえんともがら、國師をしるべしといはば、二乗さらに國師をしるべきか、しかあるべからず、二乗人はたえて國師の邊際におよぶべからざるなり。いま大乗經をよむ二乗人おほし、かれらも國師の身心をしるべからず、また佛法の身心ゆめにもみるべからざるなり、たとひ大乗經を讀誦するににたれども、またくかれは小乗人なりとあきらかにしるべし。おほよそ國師の身心は神通修證をうるともがらのしるべきにあらざるなり。國師の身心は國師なほはかりがたからん。ゆゑはいかん。行履ひさしく作佛を圖せず、ゆゑに佛眼も覷不見なり。去就はるかに窠窟を脱落せり、篭羅の拘牽すべきにあらざるなり。
いま五位の尊宿、ともに勘破すべし。


今月の所感

img_0381.jpg-1.jpg今月のご提唱の前半は大證國師が大耳三藏を三度テストしたことについての道元禅師の見解の続きです。大證國師が大耳三藏に、「この野狐精、お前の他心通とやらはいったいどこにあるんだ」と叱責したのは、「わしはいまどこにいるのかな」という三度目の問いかけに大耳三藏が答えられなかったからではなく、大耳三藏が仏道を全く理解していない野狐精であり、仏法を夢にも未だ見ていないからだと、道元禅師は指摘されているのです。大證國師の二度までの問いに対する大耳三藏の答えは、全くのでたらめであり、仏法の道理に適ってい合いので、大證國師は大耳三藏を叱責されたのです。
また、大證國師が三度までも問いかけたのは、もしかしたら大耳三藏が國師の質問の意図するところを理解するかもしれないという配慮からです。でもそれは叶いませんでした。
提唱の後半は、趙州さんを始めとする五人の祖師方が、大證國師の身心、即ち大證國師の命とか本来の面目を知らなかったのではないか、という道元禅師の見解です。
そもそも、大證國師の身心については、十聖三賢ところか、次に生まれてくる時は佛となる地位にある一生補處の人でさえ、明らかにすることはできない。ましてや凡夫の大耳三藏ごときにはわかるはずがないと、道元禅師はこき下ろしています。
仏法を学問としてとらえているような三藏や小乘の人は、とても大證國師の身心を知ることができないのは、大證國師自身が大證國師の身心を把握することが難しいから、致し方ない事である。即ち、他人の心どころか、刻一刻と変化する自分の心など、どだい把握することはできないものなのです。
他人の心を見通すことができるという他心通などは、もってのほかであるし、他心通の能力があると豪語する輩は、全く信用ならないイカサマなのです。

img_0384.jpg-1.jpg昨年の年番幹事の松井さんと山桐さん、一年間ご苦労様でした。今年は小山さんと佐藤さんが年番幹事にあたられます。
1月22日に降った雪が境内にまだ残っており、さらに曇天で日差しが弱く、冷たい風が吹き抜ける、大寒にふさわしい一日でした。道元禅師は「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり」と詠われており、またご老師は口宣の中で、「寒苦をおづることなかれ、寒苦、いまだ人をやぶらず、寒苦、いまだ道をやぶらず」と述べられ、寒さで人をだめになったり、仏道が廃れたりはしない、かえって寒さは人を鍛えるものだとお示しになられました。寒中は修行の絶好のチャンスであるという道心を持つよう努めたいものです。


小畑代表幹事からのお知らせ

・杉浦さんが今年の行事予定表を作成してくださいました。

小山年番幹事からのお知らせ

・新年会が2月11日(日)午後2時より「うどん市 柏あけぼの店 」で行われます。多くの方のご参加をお待ちしています。申し込みを忘れた方でも当日受付ます。
・涅槃会が2月15日(木)が午後2時から行われます。お役の方は午後1時までに集合してください。

 

松井さんからのお知らせ

・昨年の会計報告をします。昨年の繰越金は79.9万円、収入が54.4万円、支出が56.4万円でした。従って今年の繰越金は77.9万円となります。

ご老師からのお知らせ

img_0386.jpg-1.jpg・参禅会員の遠藤昇さんが1月6日にお亡くなりになられました。遠藤さんは坐禅堂の建設委員を務められ、また多大なご喜捨をなされましたが、ご病気から坐禅堂には一度も坐ることがなく、亡くなられました。まさに自未得度先度他を実行された方でした。
・2月は行事が色々あります。元気なうちに多くの行事に参加した方が良いと思います。



今月の司会者 相澤 善彦
今月の参加者 30名(新人1名)
来月の司会者 小林 裕次

最終更新日 ( 2018/04/30 月曜日 10:10:55 JST )
 
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