平成二九年六月定例参禅会報告 プリント

今月の提唱

『正法眼蔵』「看經」の巻(7)

img_9389.jpg-1.jpg梵音の座、あるいは聖僧のみぎ、あるいはは聖僧のひだり、便宜にしたがふ。
手爐には沈香・箋香等の名香をさしはさみたくなり。この香は施主みづから弁備するなり。
施主巡堂のときは、衆僧合掌す。
つぎに看経銭を俵す。銭の多少は、施主の心にしたがふ。あるいは綿あるいは扇等の物子、これを俵す。施主みづから俵す、あるひは知事これを俵す、あるいは行者これを俵す。俵する法は、僧のまへにこれをおくなり、僧の手にいれず、衆僧は、俵銭をまへに俵するとき、おのおの合掌してうくるなり。俵銭あるいは当日の斎時にこれを俵す。もし斎時に俵するがごときは、首座施食ののち、さらに打槌一下して、首座、施財す。
施主回向の旨趣を紙片にかきて、聖僧の左の柱に貼せり。
雲堂裏看経のとき、揚声してよまず、低声によむ。あるいは経巻をひらきて、文字をみるのみなり。句読におよばず、看経するのみなり。
かくのごとくの看経、おほくは金剛般若経・法華経普門品・安楽行品・金光明経等をいく百千巻となく、常住にまうけおけり。毎僧一巻を行ずるなり。

今月の所感

img_9384.jpg-1.jpg6月に入り境内や坐禅堂の裏山には紫陽花が咲き始めましたが、今年は雨が少ないせいか花数が例年より少ないように感じます。でも花数が少ない分、一つの気に入った花をじっくりと鑑賞するのもよいことかと思います。
今月は新しい方が男性2名、女性2名の計4名來山し、参禅されました。坐禅指導は小山さんと山本さんが当たりました。また、長野県伊那市にある常圓寺さんの副住職で、曹洞宗総合研究センター研究員の角田隆真さんも一年ぶりに來山され、我々と一緒に参禅されました。

今月の「看経」の巻のご提唱は、先月に引き続き、施主が僧侶にお経を読んで欲しいと頼んだ時の、雲堂内における作法についての説明です。
施主が堂内に入る時は、香を手元で焚くために手爐を持って入ります。その手爐では沈香や棧香などの名香が焚かれます。
また、施主は看経銭といわれるお金を布施しますが、看経銭の金額は施主の志次第で決まっていませんが、寺院にいる僧侶の数などから、それ相当の金額を布施するものと思われます。
さらに綿の反物や扇などを僧に配ります。「看経」の巻には、お金や供物の配り方について事細かに示されていますが、ここでは省略いたします。
施主は堂内を一巡するほかに、看経による囘向の趣旨を書いた紙を、聖僧様の左側の柱に貼りつけることができます。囘向についてはわかっているようで実はあまり知らないところもあります。そこで囘向についてご老師からは、次のようなお話がありました。
囘向とはまず大勢の人が集まり、万物の霊を供養します。この供養が巡り巡って自分たちの先祖の霊を供養することに繋がって行くことになるのです。
次に雲堂内で僧が看経する時の作法について述べられています。看経は声を揚げてお経を読むのではなく、低音で読むか、あるいはお経の文字を看るだけで、声を出さないで読むのです。我々が今日、法要などで読経を聞くのとはずいぶん違い、本当にお経を「看る」だけなのです。
寺院では看経に備えて金剛般若経・法華経普門品・安樂行品・金光明経などの経典を多数準備しておかなければなりません。それは看経では、僧侶一人が一巻ずつ読むからなのです。中国は宋代に印刷技術が発展しましたが、このように大量の経典を揃えることができたのも、印刷技術の発展によるところが大きいものと思います。

松井年番幹事からのお知らせ

img_9386.jpg-1.jpg・作務が毎月第1金曜日、第2土曜日、第3金曜日の午前中に行われています。今は樹木の成長が著しい季節なので、作務の仕事はいくらでもあります。ご都合のつく方は是非作務に参加されるよう希望します。
・8月16日(水)に施食会が行われます。施食会のお手伝いを希望される方は、7月の参禅会の時に申し込んでください。

ご老師からのお知らせ

・6月3日(土)・4日(日)で行われた一夜接心には23名の方が参加されました。七炷の坐禅のほかに、読経・作務・講義があり、充実した一夜接心でしたが、最近は若い人の参加が少ないのが残念です。来年は一夜接心をもっとPRしてほしいと思います。またそのためのキャッチフレーズも考えてほしいところです。一夜接心に若い人が入って参禅会を換骨奪胎する必要があると思います。

今月の司会者 小畑 二郎
今月の参加者 29名(新人4名)
来月の司会者 中嶌 宏誠

最終更新日 ( 2018/04/30 月曜日 10:15:26 JST )
 
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