平成二九年四月降誕会報告 プリント

img_9255.jpg-1.jpg4月8日小雨が降り続く中、午後2時よりお釈迦様のお誕生を祝う降誕会が催されました。暦では花まつりの日で、文字通り桜は満開でしたが、あいにくの雨に濡れて桜の花も今ひとつさえない様子でした。
午前中は自由参禅と作務が行われ、作務に就かれていた方々が、作務終了後に降誕会が行われる本堂で椅子を並べたり木魚を移すなどの準備をなさってくださいました。
午後1時半ごろから法要の練習を行い、2時から降誕会の法要が始まりました。七会の殿鐘が打ち鳴らされ、梅花講員によるお釈迦様の誕生を祝う御詠歌が奉じられ中、小畑代表を先導に、ご老師と侍者・侍香を勤める松井さんと小畑(二)さんが続いて入堂されました。
釋尊の降誕を祝するご老師の香語が述べられた後、般若心経を一巻お唱えしました。なお今年の降誕会の参列者は参禅会員と梅花講員の外に、一般の方々が四名お見えになりました。梅花講と参禅会だけでなく、一般の方がこのように参列されることは大変うれしいことです。
img_9253.jpg-1.jpg法要の後、ご老師から次のようなお話がありました。
寒い季節から暖かい季節に移る花まつりの時期は、一日一日毎に風情が変って行く。一年のうちでこれほど風情が変る時は外にないくらいである。お釈迦様は2500~2600年前のこのような時期にお生まれになられ、「天上天下唯我獨尊」と言われた。
ところで永六輔さんはかって「人間は生きるのではだめだ、生きて往くでないとだめだ」と言われたが、「生きて往く」には3つあると思う。①煩惱、②適合、③創造である。
①    煩惱は生まれた時から備えられている。怒ったり嬉しがったり、煩惱があるからこそ人間は生きて往ける。だから煩惱があることは有難いことであるが、煩惱を悪い方向に発展させてはいけない。
②    適合とは寒い時には暖房を入れるように、環境に合わせて往くことである。衣食住が適合されなければ生きて往けない。さらにお金を使いすぎて一文無しにならないように少しは蓄えておく、病気をした時の為に蓄えておく。このように自分の頭を使い、努力をしてゆかなければならない。
③    創造とは何かを新たに創り出してゆくこと。新たにと言っても、人が創れないものを創るのではなく、親から先輩から教えられたものを創ってゆくことである。
img_9258.jpg-1.jpgある農家の人が「百姓をやる以外、何のとりえもない」と何回も言われていたが、とんでもないことである。とりえのない人はこの世に一人もいない。その人しかできないことがある。農業をサラリーマンしかやったことがない人はできるはずがない。菜っ葉一本、大根一本作れない。百姓は大変な仕事である。「百姓のことしかできない」とは、とんでもないことで、これは特技なのである。
先日、海上自衛隊の方が坐禅体験に来られた時に、若い隊員達に対して「自衛隊員で一生終わる人はまずいない、必ず違う職業に就かれると思う。どのような職業に就かれようとも、何のためにこの世の中に生まれ、どう生きて往くかをとことん考えたことがありますか。一人ひとり掛け替えのない命を持っている。あなたしかできないことをするためにこの世の中に送り届けられて来たのです」と伝えた。
「あなたしかできないこと」という意味は、何も特別なことではなく、その人の性格とか、生き様とか、色々なご縁などにより、一人ひとり特長、個性など様々な素晴らしいものを持っているということである。あなたと同じ人は一人もいない、という意味である。従って「あなたしかできないこと」をするために、この世の中に生まれてきたのである。
釋尊が生まれた時、「天上天下唯我獨尊」と言われたのは、尊大なことを言ったのではなく、世の中に自分ひとりだけという意味である。まさに、その人にしかない特技、個性、素晴らしさを発揮してゆくために生まれてきたということである。
img_9249.jpg-1.jpg以上のようなことを聞いて「ああ!そうか」では駄目で、自覚しなければならない。「この我がままでつまらない人間」と思っても、実はそうではない。素晴らしいものを持っている。自分しかできないことが山ほどあり、それをやれるところまでやり抜く。そうすると毎日毎日が無駄な日などなくなり、素晴らしい人生を送ることができ、周りの人を幸せにすることができる。人を幸せにすることが自分にとって一番幸せなことである、とお釈迦様は説いておられる。
仏教では人間は毎日毎日生と死とを繰り返していると説いている。生物学でも瞬間瞬間に細胞が死に生まれてくると言われている。人間の体は60兆個の細胞から成り立っており、一秒間に細胞が700個死に、700個生まれて入れ替わっていると言われている。仏教では自分というものの実態がないと説いているのも、このような事から言えるのである。

ご老師の法話の趣旨は以上でしたが、最後に下記のURLをクリックして永六輔さんの

「生きていることは」「いきるものの歌」 をお聞きください。味わい深いものがあります。

最終更新日 ( 2018/04/30 月曜日 10:25:01 JST )
 
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