平成二八年九月定例参禅会報告 プリント

今月の提唱

『正法眼蔵』「自證三昧」の巻(8)

img_8759.jpg-1.jpg宗杲因湛堂之囑、而湛堂順寂後、參圜悟禪師於京師之天寧。圜悟一日陞堂、宗杲有神悟、以悟告呈圜悟(宗杲、湛堂の囑に因つて、湛堂順寂の後、圜悟禪師に京師の天寧に參ず。圜悟一日陞堂するに、宗杲、神悟有りといつて、悟を以て圜悟に告呈す)。
悟曰、未也、子雖如是、而大法故未明(悟曰く、未だし、子是くの如くなりと雖も、大法故より未だ明らめず)。
又一日圜悟上堂、擧五祖演和尚有句無句語。宗杲聞而言下得大安樂法。又呈解圜悟(又一日、圜悟上堂して、五祖演和尚の有句無句の語を擧す。宗杲聞いて言下に大安樂の法を得たりといふ。又、圜悟に呈解す)。
圜悟笑曰、吾不欺汝耶(圜悟笑いて曰く、吾れ汝を欺かざらんや)。
これ宗杲禪師、のちに圜悟に參ずる因縁なり。圜悟の會にして、書記に充す。しかあれども、前後いまだあらたなる得處みえず。みづから普説陞堂のときも、得處を擧せず。しるべし記録者は神悟せるといひ、得大安樂法と記せりといへども、させることなきなり。おもくおもふことなかれ、ただ參學の生なり。
圜悟禪師は古佛なり。十方中の至尊なり。黄檗よりのちは、圜悟のごとくなる尊宿いまだあらざるなり。他界にもまれなるべき古佛なり。しかあれども、これをしれる人天まれなり、あはれむべき裟婆國土なり。いま圜悟古佛の説法を擧して、宗杲上座を儉點するに、師におよべる智、いまだあらず、師にひとしき智、いまだあらず、いかにいはんや、師よりもすぐれたる智、ゆめにもいまだみざるがごとし。
しかあればしるべし、宗杲禪師は減師半德の才におよばざるなり。ただわづかに華嚴楞嚴等の文句を諳誦して、傳説するのみなり。いまだ佛祖の骨髓あらず。宗杲おもはくは、大小の隱倫、わづかに依草附木の精靈にひかれて、保任せるところの見解これを佛法とおもへり。これを佛法と計せるをもて、はかりしりぬ、佛祖の大道いまだ參究せずといふことを。圜悟よりのち、さらに他遊せず、智識をとぶらはず。みだりに大刹の主として、雲水の參頭なり。のこれる語句、いまだ大法のほとりにおよばず。しかあるを、しらざるともがらおもはくは、宗杲禪師、むかしにもはぢざるとおもふ。


今月の所感

img_8756.jpg-1.jpg今月は大慧宗杲禅師が、湛堂和尚の薦めに従って圜悟克勤禅師に参じた時の様子について、道元禅師の見解が述べられているところです。最初の漢文の箇所は、道元禅師が引用されたものですが、ご老師によれば、この箇所に該当する語録等の文献は見当たらず、ただ浙江省にある五山第一の徑山にある大慧の塔銘に見えるそうです。塔身の中央には大慧の行跡を刻されているそうです。
ただこの箇所に近いものとしては『大正蔵』四七巻「大慧普覺禪師語錄」卷六に見えます。
吾助子往、遂津致行李來京師、見勤于天寧。一日勤陞堂、師豁然神悟、以語勤。勤曰、未也。子雖有得矣、而大法故未明。又一日勤舉演和尚有句無句語。師言下得大安樂法。勤拊掌曰、始知吾不汝欺耶。(大正蔵四七、八三六c)。
この箇所では、大慧が圜悟に参じている時、圜悟の上堂の話を聞いてたびたび悟りの心境に達することがあり、その都度圜悟に心境を呈するものの、今一歩とダメ出しを食らっていたことが述べられています。
この箇所には圜悟が上堂で五祖法演和尚の有句無句の話を取り上げたことが記されていますが、この話は『大正蔵』四七巻「圜悟佛果禅師語録」巻一二に見えるものです。
五祖和尚常云、諸方參得底禪、如瑠璃瓶子相似。愛護不捨第一、莫教老僧見。將鐵鎚一擊爾底碎定也。山僧初見他如此說。便盡心參他。他常問、有句無句如藤倚樹、作麼生會。山僧便喝或下語、總不契他。云須是情識盡淨計校都忘處會。山僧明日便於無計校處胡道亂道、轉沒交涉。後來徹悟實見實用、如明鏡當臺明珠在掌得大自在。(大正蔵四七、七六八b)
なお五祖法演和尚は圜悟克勤禅師の師匠で、圜悟は法演の法を嗣ぎました。道元禅師の圜悟に対する評価は非常に高く、黄檗希遷以来の古佛であり、圜悟に匹敵する尊宿はいまだ現れていないと断定しておられます。大慧については、圜悟に比べれると減師半德の才にも及ばないと、取り付く島がありません。大慧が悟りを得ていないことについて、道元禅師はこのように厳しく批判されています。

刑部年番幹事からのお知らせ

坐禅体験会を受けた海上自衛隊のカウンセラー27名のアンケートをまとめた結果、「何も考えない時間が貴重なものであることが分かった」「自分の物差しを取り除く話には感銘を受けた」「とても気持ちよく、落着いて、坐禅の素晴らしさを始めて知った」など、坐禅について前向きな感想が多く見受けられた。

山本寺宝展係からのお知らせ

img_8753.jpg-1.jpg『明珠』66号が出来ました。『明珠』が充実することにより参禅会の活動も充実しますので、これからも積極的に投稿をお願いいたします。

岡本寺宝展リーダーからのお知らせ

・10月30日から11月6日まで開催される寺宝展の日直当番を募集しています。ご都合のよい日を当番表に記入してください。
・寺宝展目録が1000部できました。
・寺宝展に出品する寺宝の下に提示する説明文が出来ました。
・寺宝展のチラシを4300部印刷したので、知人友人などに配布してください。
・新しいチラシを10月中に配布します。

小畑代表幹事からのお知らせ

・『明珠』66号発行ご苦労様でした。
・寺宝展、記念講演会、東北旅行の係の方はご苦労様でした。

ご老師からのお知らせ

・東北旅行の男性の参加者が10名に過ぎない。何とか工夫して参加できるようにしてほしい。私が参加できるのは今回が最後です。
・寺宝展では警備などで諸経費が100万円ほどかかりますが、龍泉院が負担します。寺宝展の当番参加者が大変少ないようですが、何とか多くの方が当番にあたってほしい。

今月の司会者 山川 進
来月の司会者 加藤 孝
今月の参加者 32名

最終更新日 ( 2016/11/29 火曜日 11:26:41 JST )
 
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