平成二八年六月一夜接心報告 プリント

img_8366.jpg-1.jpg今年も6月4日(土)、5日(日)にかけて一夜接心がおこなわれました。午後2時から受け付け開始ですが、参加者の大半はその前に来山されていました。
午後2時20分からオリエンテーションとなり、小畑代表が遅れて来山するため代って五十嵐が一夜接心の差定説明と注意事項を申し上げました。その後坐禅堂に移動し、ご老師の「これより一夜接心開始」の大発声につづいて止靜鐘が鳴らされ、一炷目の坐禅が始りました。
一炷目の坐禅が終わり、つづいて禅講となり、昨年の一夜接心から始った『普勧坐禅儀』のご提唱を拝聴しました。『普勧坐禅儀』のご提唱は4日と5日の2回行われ、今年の『普勧坐禅儀』のご提唱は、本文に該当する「夫れ参禅は静室宜しく」のところから始まりました。
まず坐禅を始める前の環境設定や心構え、作法などに関することが述べられています。ご老師は「夫れ参禅は静室宜しく」の箇所について、「夫れ坐禅は静室宜しく」となっていないことに留意すべきであると仰られました。参禅とは坐禅だけでなく作務・読経・行事・法話などの要素も含んでおり、とりわけ作務が重要であると指摘されました。単に坐禅だけ行っていると、どうしても視野が狭くなってしまうからで、当会が「龍泉院参禅会」と言う名称になっているのもこのような観点からです。
img_8368.jpg-1.jpg次に「或は結跏趺坐、或は半跏趺坐」を取り上げ、半跏趺坐と結跏趺坐とが並列的に述べられているのは、結跏趺坐が上等で半跏趺坐が劣っているのではないことを表わしているのだと、ご老師は仰られました。半跏趺坐の人は半跏趺坐でベストを尽くせば立派な坐禅になっているのである。
『普勧坐禅儀』が撰述された時にはイスが無かったので述べられていませんが、もし道元禅師の時代にイスが庶民に用いられていたら、「普く坐禅を勧める」ということから、「或は結跏趺坐、或は半跏趺坐、或はイス坐禅」と記述されていたのではないかと、ご老師は仰られました。従って、イス坐禅でベストを尽くせば、結跏趺坐と全く変わらないことになります。
禅講の後、典座さんが心を込めて作られた薬石に舌鼓を打ちました。典座さんは薬石等のの食事の準備を2日前からなされていたそうです。感謝・感謝です!
薬石の後の夜坐は二炷ありますが、初日最後の坐禅の時には『普勧坐禅儀』を全員で諷誦しました。午後9時に開枕となり第一日目が終了となりました。
2日目は午前4時に振鈴が鳴り全員起床、身支度をすばやく済ませて坐禅堂に向い、一炷目の坐禅が始りました。一炷目は絡子を掛けないで坐り、終わりごろに引磬が鳴ると絡子を頭に載せ、合掌して、搭袈裟の偈を三度お唱えしてから絡子を着用しました。
img_8381.jpg-1.jpg一炷目と二炷目の間に行茶があり、坐禅堂でお茶とお菓子をいただきます。行茶の給仕の仕方については、前夜遅くまで小畑代表と年番幹事と鈴木さんが手順について綿密な打ち合わせを行った結果、当日の行茶は大変スムーズに進行しました。関係者の努力に感謝です。
作務、小食の後に三炷目の坐禅となりますが、その頃になると足は痛くなり、疲労から腹式呼吸も荒くなり、どうしても坐相が崩れてきます。
二日目の禅講は「乃ち正身端坐して」からですが、この「端」とは「正しい」とか「真直ぐ」の意であり、端のつくこと葉としては端的、端月、端正、端人、端麗などがあります。ご老師は坐禅中に疲れが来ても、あらためて正身端坐を心掛ければ疲れは吹っ飛びますと仰られました。このご提唱を拝聴した後の最後の坐禅では、まさに正身端坐に努めたところ、あっという間に「これにて一夜接心円成」の声と抽解鐘が聞こえてきたと、多くの方が言っていました。坐禅中に疲れや足の痛みを感じてきたら、さらに正身端坐に努めることだと云うことを改めて学んだ次第です。
今年もご老師、小畑代表、年番幹事さん、典座さんのお蔭で充実した一夜接心を務めることができました。
なお、今年の一夜接心の課題として小畑代表の負担をいかに軽くするかがあげられました。昨年の一夜接心の後の茶話会で、ご老師から「小畑さんにばかり負担を掛けさせているのは如何なものか」とのご叱責を受けたからです。なるべく小畑代表には静かにして下さるようお願いしましたが、実際は小畑代表にお出ましを願う場合が多々ありました。
img_8384.jpg-1.jpgこの課題について、茶話会の席で刑部さんから、龍泉院参禅会の運営に関するノウハウが全て小畑代表の頭の中に入っているが、それを我々会員が共有していないところに問題があると指摘されました。さらに問題解決のためには、小畑代表の持っている知識を聞き取り明文化し、誰でも参禅会の運営をできるようにする必要があるとのご提案がありました。小畑代表の持っておられる「暗黙知」を「形式知」化することが緊急の課題として浮上してきました。なお一夜接心の差定は、現在の坐禅堂がなく本堂で坐禅を行っていた時代に作成されたものです。何かと現状に即さないところが多いので、ご老師と小畑代表が打ち合わされて改定することになりました。

 

最終更新日 ( 2016/07/04 月曜日 15:15:54 JST )
 
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