平成二八年五月定例参禅会報告 プリント

今月の提唱

『正法眼蔵』「自證三昧」の巻(5)


img_8261.jpg-1.jpgしかあれば、東邊にして一句をききて、西邊にきたりて一人のためにとくべし。これ一自己をもて、聞著説著を一等に功夫するなり。東自西自を一齊に修證するなり。なにとしても、ただ佛法祖道を、自己の身心にあひちかづけ、あひいとなむを、よろこび、のぞみ、こころざすべし。一時より一日におよび、乃至一年より一生までのいとなみとすべし。佛法を精魂として弄すべきなり。これを生生をむなしくすごさざるとす。
しかあるを、いまだあきらめざれば、人のためにとくべからずとおもふことなかれ。あきらめんことをまたんは、無量劫にもかなふべからず。たとひ人佛をあきらむとも、さらに天佛あきらむべし。たとひ山のこころをあきらむとも、さらに水のこころをあきらむべし。たとひ因緣生法をあきらむとも、さらに非因緣生法をあきらむべし。たとひ佛祖邊をあきらむとも、さらに佛祖向上をあきらむべし。これらを一世にあきらめをはりて、のちに他のためにせんと擬せんは、不功夫なり、不丈夫なり、不參學なり。
およそ學佛祖道は、一法一儀を參學するより、すなはち爲他の志氣を衝天せしむるなり。しかあるによりて、自他を脱落するなり。さらに自己を參徹すれば、さきより參徹他己なり。よく他己を參徹すれば、自己參徹なり。この佛儀は、たとひ生知といふとも、師承にあらざれば、體達すべからず、生知いまだ師にあはざれば、不生知をしらず、不生不知をしらず。たとひ生知といふとも、佛祖の大道はしるべきにあらず、學してしるべきなり。
自己を體達し、他己を體達する、佛祖の大道なり。ただまさに自初心の參學をめぐらして、他初心の參學を同參すべし。初心より自他ともに同參し、もてゆくに、究竟同參に得到するなり。自功夫のごとく、他功夫をもすすむべし。
しかあるに、自證自悟等の道をききて、麁人おもはくは、師に傳授すべからず、自學すべし。これはおほきなるあやまりなり。自解の思量分別を邪計して師承なきは、西天の天然外道なり、これをわきまへざらんともがら、いかでか佛道人ならん。


今月の所感

img_8260.jpg-1.jpg今月の「自證三昧」のご提唱は、自分のために参学することは、他のために参学することであり、他のために参学することは取りも直さず自己のためになるということを、繰り返し繰り返し述べられています。
例えば、
・「東邊にして一句をききて、西邊にきたりて一人のためにとくべし」。即ち、「禅を聞く会」などで佛法のよいお話しを聴いたならば、家族・友人・参禅会の仲間などにつたえるべきである。
・「およそ學佛祖道は、一法一儀を參學するより、すなはち爲他の志氣を衝天せしむるなり
・「自己を參徹すれば、さきより參徹他己なり。よく他己を參徹すれば、自己參徹なり」
・「自己を體達し、他己を體達する、佛祖の大道なり」
等があげられます。
自己のための参学が他己のためとなり、他のための参学が自己のためになることにより、「自他を脱落するなり」とあるように、自他の区別は無くなってしまうのです。
その結果究極的には、「初心より自他ともに同參し、もてゆくに、究竟同參に得到するなり」となるのです。
「自未得度先度他」とは、自らは得度しなくとも他の人びとが救われるようにとの菩薩行を示した語句ですが、「自證三昧」の巻では自分と他人とを区別することなく参学功夫することを求めています。ここにおいて「自證三昧」の巻では「自未得度先度他」を凌駕した境地が示されているように思われます。

相澤作務担当からのお知らせ

img_8257.jpg-1.jpg龍泉院の裏山で間伐した木材の活用方法について、6月の自由参禅の時に検討会を持ちたいと思います。なるべく多くの方からのアイデアをお借りしたいと思っていますので、ご協力のほどよろしくお願い致します。

小畑代表幹事からのお知らせ

・5月15日(日)に行われた第4回在家得度式には、新規得度者9名、再度得度者21名のご参加がありました。ご老師には戒師さまをお勤め下さり有難うございました。また在家得度式委員の方及び多くの方々のご協力により、無事円成致しました。感謝申し上げます。

刑部年番幹事からのお知らせ

6月4日(土)・5日(日)の一夜接心の申し込みは今日が締切りです。現在23名の方がご参加を申し込まれています。

ご老師からのお知らせ

・在家得度は盛会裏に円成しました。準備にあたられた方々に感謝申し上げます。今日、お血脈を入れる血脈袋をお配りしましたので、その中にお血脈を入れてください。なお今後も45周年行事が続きますので、積極的に取り組まれることを期待しています。
・一夜接心は佛法にふれるよい機会です。参画することに意義がありますから奮ってご参加ください。
・龍泉院にAED(自動体外式除細動器)を設置しました。なるべく多くの人が操作できることを望んでいますので、参禅会でもAEDの講習会開催をお願い致します。
・丸山劫外さんが『『修証義』解説』を佼成出版社から発行しました。購入を希望される方はお知らせください。

今月の司会者 松井 隆
来月の司会者 鈴木民雄
今月の参加者 35名

最終更新日 ( 2016/05/24 火曜日 15:10:36 JST )
 
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