平成二八年一月定例参禅会報告 プリント

今月の提唱

『正法眼蔵』「自證三昧」の巻(1)

諸佛七佛より、佛佛祖祖の正傳するところ、すなはち自證三昧なり。いはゆる或從知識、或從經卷なり。これはこれ佛祖の眼睛なり。このゆゑに、
曹谿古佛問僧云、還假修證也無(曹谿古佛僧に問うて云く、還た修證を假るや)。
僧云、修證不無、染汚卽不得(僧云く、修證は無きにあらず、染汚することは卽ち得ず)。
しかあればしるべし、不染汚の修證、これ佛祖なり。佛祖三昧の霹靂風雷なり。
或從知識の正當恁麼時、あるいは半面を相見す、あるいは半身を相見す。あるいは全面を相見す、あるいは全身を相見す。半自を相見することあり、半他を相見することあり。神頭の披毛せるを相證し、鬼面の戴角せるを相修す。異類行の隨他來あり、同條生の變異去あり。かくのごとくのところに爲法捨身すること、いく千萬廻といふことしらず。爲身求法すること、いく億百劫といふことしらず。これ或從知識の活計なり、參自從自の消息なり。瞬目に相見するとき破顔あり、得髓を禮拜するちなみに斷臂す。おほよそ七佛の前後より、六祖の左右にあまれる、見自の知識、ひとりにあらず、ふたりにあらず。見他の知識、むかしにあらず、いまにあらず。

今月の所感

今月の定例参禅会には新しい方が2名来山されました。他に伊那市にある常圓寺の副住職で、駒澤大学院生の角田隆真さんが来山されました。角田さんは以前から椎名老師の所で一度坐禅をしたいと仰られていましたが、今回ようやく実現いたしました。

『正法眼蔵』のご提唱は「法性」の巻が昨年の12月で終わり、今年から「自證三昧」の巻が始りました。「自證三昧」の巻は寛元2年(1244)2月29日に吉峰寺で道元禅師が大衆に示されたものです。
ふだん我々凡夫は自分と他人とを分けて考えますが、しかし禅では自他の区別をなくすことを勧めています。この「自證三昧」の巻では自と他との関係について示されているとご老師は仰られました。
ところで龍泉院坐禅堂の建立にあたっての理念ですが、「自未得度先度他」であったことを覚えていらっしゃいますか。この理念について、いたらない自分がどうして他人を先に度することができるのであろうか、と思われている方が多いのではないでしょうか。このような疑問についても「自證三昧」の巻を読み進むうちに、その答えを示してくれるとご老師は仰られていました。
まず冒頭に「諸佛七佛より、佛佛祖祖の正傳するところ、すなはち自證三昧なり」とあり、諸佛が正しく伝えてきたものはまさしく「自證三昧」である、とスバリお示しになられています。
次いで「自證三昧」は善知識と経典によって正伝されるものがあり、佛佛祖祖の正伝するところの例として、六祖慧能から南嶽懐讓へと仏法が正伝された時の問答があげられています。これは『天聖広灯録』の南岳大恵禅師の章における、六祖慧能と南嶽懷讓との下記のような問答によるもので、懐讓が悟りの心情を慧能に述べ、慧能がそれを認めたところです。

《天聖廣燈錄》卷8:「祖(六祖慧能)問う、什麼の處より來たる。師(南嶽懐讓)云く、嵩山安禪師の處より來たる。祖云く、什麼物が與麼より來たる。師無語。八載を經于し、忽然として省有り。乃ち祖に白て云く、某甲箇の會する處有り。祖云く、作麼生。師云く、一物を似て說かば即ち中らず。祖云く、還た修證を假るや。師云く、修證即ち無きにあらず、敢て污染せず。祖云く、秖だ此れ污染せず。是れ諸佛の諸念護。吾れも亦た如くの是し、汝も亦た如きの是し」(卍續藏、78、447、c)

慧能と懷讓との問答後に、善知識によって「自證三昧」が正伝される樣子が縷々述べられています。例えば南泉普願の示した異類中行、世尊の拈華微笑、二祖慧可の斷臂や礼拝得髓などが述べられ、このような例は無数見られると示されています。この他に「半面を相見す、半身を相見す」とか、「見自の知識、ひとりにあらず、ふたりにあらず。見他の知識、むかしにあらず、いまにあらず」など、形而上学的な例が挙げられていますが、ご提唱を拝聴しても正直よくわからないところでした。
「自證三昧」の巻の後半になると宋代の代表的な禅僧である大慧宗杲が登場してきます。道元禅師が大慧に対してどのような見解を持っておられたか興味の湧くところです。乞うご期待。

坐禅普及委員会刑部庶務係リーダーからの報告

img_7919.jpg-2.jpg・第5回坐禅体験会が1月10日(日)午後1時半から行われました。五十嵐が所属しているテニス愛好会の仲間10名が参加され、中嶌、永野、河本さんが坐禅指導にあたられました。20分の坐禅の後、ご老師から「心」についてのご法話がありました。ご法話は起承転結がきっちりとまとまっており、非常にわかりやすく有意義なお話しでした。

小畑代表幹事からのお知らせ

・今年は45周年に当り次のような記念行事が行われる予定になっています。
①    在家得度式 ②寺宝展 ③記念講演会 ④記念出版 ⑤東北旅行
現在45周年実行委員会で各行事について検討中ですが、在家得度式は5月15日に行うことが決まっています。
・2月11日(木・祝)午後2時より新年会を「うどん市」で行います。会費は男性6000円、女性は5000円です。参加希望者は年番幹事までお申し込みください。
・2月15日(月)午後2時より龍泉院本堂で涅槃会を行います。

山本『明珠』編集委員からのお知らせ

・『明珠』65号の原稿締め切りは2月10日(水)です。投稿原稿は山本までメールでお送り下さい。

ご老師からのお知らせ

・今年は45周年行事が盛りだくさん用意されています。実行委員の方々にはご苦労をお掛けしますが、「自未得度先度他」の心でお願い致します。

今月の司会者 山本 聡
来月の司会者 添田 昌弘
今月の参加者 35名

最終更新日 ( 2016/01/26 火曜日 17:53:34 JST )
 
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