平成二七年一〇月定例参禅会報告 プリント

今月の提唱

『正法眼蔵』「法性」の巻(2)

img_7771-1.jpg法性には外道魔儻なし。ただ喫粥來、喫飯來、點茶來のみなり。
しかあるに三二十年の久學と自稱するもの、法性の談を見聞するとき、茫然のなかに一生を蹉過す。飽叢林と自稱して、曲木の牀にのぼるもの、法性の聲をきき、法性の色をみるに、身心依正、よのつねに紛然の窟坑に昇降するのみなり。そのていたらくは、いま見聞する三界十方撲落してのち、さらに法性あらはるべし。かの法性はいまの萬象森羅にあらずと邪計するなり。法性の道理、それかくのごとくなるべからず。この森羅萬象と法性と、はるかに同異の論を超越せり。離即の談を超越せり。過現當來にあらず。斷常にあらず。色受想行識にあらざるゆゑに法性なり。
洪州江西馬祖大寂禪師云、一切衆生、從無量劫來、不出法性三昧。長在法性三昧中、著衣喫飯、言談祗對。六根運用、一切施爲、盡是法性(一切衆生、無量劫よりこのかた、法性三昧を出でず。長く法性三昧中に在つて、著衣喫飯、言談祗對す。六根の運用、一切の施爲、盡く是れ法性なり)。
馬祖道の法性は、法性道法性なり。馬祖と同參す、法性と同參なり。すでに聞著あり、なんぞ道著なからん。法性騎馬祖なり。人喫飯、飯喫人なり。法性よりこのかたかつて法性三昧をいでず。法性よりのち法性をいでず。法性よりさき法性をいでず。法性とならびに無量劫は、これ法性三昧なり。法性を無量劫といふ。しかあれば、即今の遮裏は法性なり。


今月の所感

img_7763-1.jpg今月の「法性」の巻では、馬祖大寂禅師の法性についての考え方が紹介されています。馬祖は四川省の人で南嶽懐讓の法嗣です。唐代に江西省南昌にある開元寺(現在は佑民寺)に住し、大いに宗風を挙揚した方です。
その宗風は「平常心是道」「即心是仏」等を標榜し、経典や観心によらない大機大用の禅で、百丈懷海、西堂智蔵、南泉普願、塩官斎安、大梅法常、帰宗智常、紛州無業など130余人を打ちだし、天下を風靡するに至りました。
「平常心是道」「即心是仏」とは現実態の自身がそのまま本來性の現れだとするものです。即ちありのままの自己をそのまま肯定するものです。己の心、それこそが仏であり、その事実に気づいてみれば、いたるところ仏でないものはない。さらに現実態の活き身の自己のはたらきは、すべてそのまま仏としての本來性の現れに他ならないことになるのです。(『禅思想史講義』小川隆:春秋社より)。
このような観点から、法性についての馬祖の考え方は必然的に、「長在法性三昧中、著衣喫飯、言談祗對。六根運用、一切施爲、盡是法性」へと導かれていくことになります。
馬祖大寂禅師は南岳系の巨頭ですが、青原系にあたる道元禅師は、仏法の前では南岳系も青原系も関係なく、正しいものは正しいとして、このように馬祖の言葉を取り上げられておられます。


鈴木年番幹事からのお知らせ

img_7764-1.jpg・10月4日(日)と10日(土)の自由参禅には6名の方が來山されました。また今月の参禅会では5名の方が初めて参禅されました。初心の方でまだ坐禅の作法に慣れていない方は、自由参禅の時に練習することをお勧めいたします。
・12月6日(日)に成道会が行われます。11月の参禅会の時に出欠をお聞きします。

ご老師からのお知らせ

・坐禅普及委員会では坐禅体験会の募集活動を行っています。坐禅普及活動への支援をお願いします。
・12月20日(日)の午後1時から柏駅前で歳末助け合いの托鉢を行います。奮ってご参加ください。

今月の司会者 冨沢日出夫
来月の司会者 小畑 二郎
今月の参加者 30名

最終更新日 ( 2015/10/27 火曜日 11:05:01 JST )
 
< 前へ   次へ >
Copyright (C) 2008 ryusenin.org All Rights Reserved.