平成二六年五月定例参禅会報告 プリント

今月の提唱

 

『正法眼蔵』「佛道」の巻(4)


img_5373-1.jpg大宋の近代、天下の庸流、この妄稱禪宗の名をききて、俗徒おほく禪宗と稱じ、達磨宗と稱じ、佛心宗と稱ずる妄稱きほひ風聞して、佛道をみだらんとす。これは佛祖の大道いまだかつてしらず、正法眼藏ありとだにも見聞せず、信受せざるともがらの亂道なり。正法眼藏をしらん、たれか佛道をあやまり稱ずることあらん。このゆゑに、
南嶽山石頭庵無際大師上堂、示大衆言、吾之法門、先佛傳受、不論禪定精進、唯達佛之知見(南嶽山石頭庵無際大師上堂して、大衆に示して言く、吾が法門は、先佛より傳受せり。禪定精進を論ぜず、唯佛の知見に達す)。
しるべし七佛諸佛より、正傳ある佛祖、かくのごとく道取するなり。ただ吾之法門、先佛傳受と道現成す。吾之禪宗、先佛傳受と道現成なし。禪定精進の條條をわかず、佛之知見を唯達せしむ。精進禪定をきらはず唯達せる佛之知見なり。これを吾有正法眼藏附囑とせり。吾之は吾有なり、法門は正法なり。吾之、吾有、吾髓は、汝得の附囑なり。
無際大師は、靑原高祖の一子なり、ひとり堂奥にいれり。曹谿古佛の剃髪の法子なり。しかあれば曹谿古佛は、祖なり、父なり。靑原高祖は、兄なり、師なり。佛道祖席の英雄は、ひとり石頭庵無際大師のみなり。佛道の正傳、ただ無際のみ唯達なり。道現成の果果條條みな古佛の不古なり、古佛の長今なり。これを正法眼藏の眼睛とすべし、自餘に比準すべからず。しらざるもの、江西大寂に比するは非なり。
しかあればしるべし先佛傳受の佛道は、なほ禪定といはず、いはんや禪宗の稱論ならんや。あきらかにしるべし禪宗と稱ずるは、あやまりのはなはだしきなり。つたなきともがら有宗空宗のごとくならんと思量して、宗の稱なからんは、所學なきがごとくなげくなり。佛道かくのごとくなるべからず、かつて禪宗と稱ぜずと一定すべきなり。



今月の所感


img_5375-1.jpg今月の「佛道」の巻は青原行思禅師の法嗣で六祖慧能禪師の孫弟子にあたる石頭希遷禅師が、上堂して説法された時のお言葉である「吾之法門、先佛傳受、不論禪定精進、唯達佛之知見」を引かれて、道元禅師は次のように拈提されています。
まず「吾之法門、先佛傳受」と言うことは正しいが、石頭は「吾之禪宗、先佛傳受」と決して言っていないと断定されているのです。
何故ならば「吾之は吾有なり、法門は正法なり」と道元禅師は定義されているからです。「吾之」とは石頭にことで、「吾有」とはお釈迦様のことですが、つまり石頭の説く法門とはお釈迦様より代々伝わった正しい法のことを指しているのであって、何も禅宗という言う特定の仏法を指しているのではないからです。
また「道現成の果果條條みな古佛の不古なり、古佛の長今なり」とあるように、石頭希遷禅師が上堂で述べられた一語一語、一言一言は、皆、古くなることのない真実であり、永遠の今であると、道元禅師は拈提されています。
このように道元禅師は、我々が受け継いできた仏法とは、お釈迦様の教えそのものであるから、禅宗とか、達磨宗とか、佛心宗などと称するのは、大いなる誤りであると誡められています。
そうすると現代の我々は当然のように、禅宗だ、曹洞宗だと言っていますが、この表現が誤りとなると、日本の宗教界だけでなく社会的にも混迷してしまうことになると思いますが・・・・


小畑代表幹事からのお知らせ


img_5382-1.jpg・6月7日(土)・8日(日)の2日間で一夜接心が行われます。7日の午後2時から七炷の坐禅が行われます。ご参加の方は午後1時半までにご来山下さい。早朝、鳥の鳴き声が聞こえて大変気持ちのよい坐禅ができます。現在の参加希望者は19名です。

ご老師からのお知らせ


・一夜接心は七炷坐りますから、後の坐禅が大変楽になります。初心者の方は是非奮ご参加ください。また典座さんの奮闘で美味しいお食事もいただけます。
・一期一会です。来年の一夜接心には参加することが出来ないかもしれません。どうしようかと迷っている人は奮って参加することをお勧めします。
・『明珠』を毎号、中外日報、仏教タイムズ、永平寺、總持寺に送っていますが、中外日報の編集者から、「素晴らしい会報なので、是非取材させてほしい」との要望が来ています。

坐禅普及委員会〈仮称〉発足のお知らせ


5月の定例参禅会の後、ご老師と小畑代表幹事及び有志の方々が残られて、坐禅普及委員会が持たれました。この会は新しく建立された坐禅堂を公開して、広く一般の人達に坐禅を弘める活動を目的に設立されたものです。委員会の委員長には小畑代表幹事が当たられます。
第1回目の討議の結果、委員会のもとに三つの分科会を置くことになりました。
・広報分科会 ・坐禅分科会 ・庶務分科会
広報分科会のリーダーには杉浦上太郎さん、坐禅分科会のリーダーには中嶌宏誠さん、庶務分科会のリーダーは刑部 一郎さんにお願いすることになりました。
今後、会員の皆さまにはいずれかの分科会にご参加いただき、積極的に坐禅普及のための企画提、実施計画策定、実施活動に関与されることをお願いいたします。坐禅普及委員会の活動については、今後このHPで逐次ご報告する予定です。

今月の司会者 中嶌 宏誠
来月の司会者 原  司
今月の参加者 30名

最終更新日 ( 2015/02/24 火曜日 08:57:35 JST )
 
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